反董卓の章
第25話 「……本当に、これでよかったのかの? 玄徳殿……」
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し得なかったけどなぁ。
「……つまり、この内容はその将が独自に判断した内容だと?」
「我が意を汲んでくれた……と言いたいですがね。実際には戦闘終了後、細作に状況をしたためた書状を持たせて放ちました。ここから洛陽までの距離ならば、馬を使えば半日も掛かりませんからね」
「……連絡が来てないというのは嘘だと言うことね」
「孟徳殿……嘘は言っていません。こちらから連絡を出しただけで、向こうからの連絡待ちだったのは確かです」
そもそも無線もないこんな時代だ。
連絡手段はいくつも用意するのは当然だろうに。
「孟徳殿とて斥候を出しておりましょう? 北や南の関はいかがですか?」
「……………………」
「無論、私達も出しています。特に動きはないはずです。たんぽぽ、関の方への命令はどうなっている?」
「えと、うちの部隊から足の早い騎馬で伝令は出してあるよ。献帝陛下直々の戦闘停止命令が出ているから」
「とのことです」
俺は報告を終えると、席へと座った。
さて……
「待ちなさい! 話は終わってないわよ!」
「は?」
なんかあったっけ……?
「どうして! 私に功を譲るのか! あれだけの事を貴方が成したなら、それを受け取るのも貴方のはずよ! 劉表はともかく、何故私を指名した!」
劉表はって……すでに敬語なしか。
相当キてるな。
「……情勢を鑑みれば当然でしょう。劉備は成り上がってまだ二年。献帝陛下の後ろ盾など出来るだけの政治的基盤はありません。望まれても果たせないのです」
「っ…………そ、それなら劉表だけでいいでしょう! 何故私まで……」
「曹孟徳殿。貴女はご自身を少々見くびっておいでのようですな?」
「……っ!?」
曹操の顔がかあっ、と赤みが増す。
「先日も申し上げたように、貴女の祖父、お父上共に漢の忠義溢れる臣であり、貴方自身も典軍校尉であり、?州の州牧でもある。官吏としては景升様と同格の上、軍属としての地位は貴女のほうが上なのですよ」
「それは――」
「実績では景升様が無論上ではありますし、何進幕閣内では袁紹よりも上でもありました。しかし、何進大将軍がご落命なさった現状では、貴女のほうが軍属では上位に当たります。それに景升様は元々官吏。軍属ではなかったのですから」
「………………」
「景升様とて、今の貴女を差し置いて上位に立つのは憚られる程なのですよ、貴女の立ち位置は。この連合の現在の盟主とて、『貴女が了承したから』景升様が盟主になられている」
「――っ!」
「……私は今の盟主を決める時に『貴女に』申し上げたはずです。盟主を誰にするか、と」
「くっ……」
それはつまり、この連合の最上位者を示した献言だったのだ。
その言葉に、曹操は劉
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