恐ろしきもう一つの姿
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ドラゴンの杖を掲げながら言い放つ。
「なまじ回復するが為に、僕のもう一つの姿を見る事になる…苦痛の中、後悔と共に死んで行くがいい!」
リュカは杖を掲げたまま大声でゾーマを恫喝し、どちらかと言えば悪者の台詞を叫び力を込める!
するとドラゴンの杖が輝きだし、その輝きはリュカを包み込む!
そしてリュカが見えなくなる程輝きを増すと、突如巨大なドラゴンが目の前に姿を現した!
「な…何だ…これは…!?」
流石のゾーマも絶句する…
そこに現れたドラゴンは、リュカより二回りは大きいゾーマを遥に凌ぐ大きさで、その巨大な尻尾だけで彼の身体と同等なのだ。
「これからお前の苦痛の時間が始まる…光の玉を返さなかった事を永遠に後悔せよ!」
目の前の巨大なドラゴンから、先程まで聞いていたリュカの声が響き渡る。
「と、父さんなんですか!?それは父さんなのですか!?」
後方で控えていたティミーが、リュカの声に反応し思わず叫び尋ねた。
「あぁそうだ。これがドラゴンの杖の本当の能力…」
「すげぇ………あの杖には『ドラゴラム』の力があったんだ…」
リュカの返答を聞き、魔法のスペシャリスト…ウルフが呆然と呟いた。
ドラゴラム…それは使用した者を巨大なドラゴンに変え、その圧倒的な能力で駆逐する魔法…
「…ふ…ふふふ…ははははは!なるほど…ドラゴラムか…しかしそんな物はワシの前では無意味だ!」
ウルフの呟きを聞いたゾーマは、多少狼狽を残しているが、目の前の巨大なドラゴンに向けて凍てつく波動を放つ!
この『凍てつく波動』を喰らえば、魔法の効果は消え去り、また元の人間の姿に戻ってしまうのだが…
「それがどうした!」
「ぐはぁ!!」
なんとリュカはその巨体からは想像出来ないスピードで、ゾーマの凍てつく波動を避け躱し、その巨大な爪でカウンター攻撃を繰り出してきた!
「ぐわぁぁぁ………」
その圧倒的に増したパワーの前に、ゾーマは腹部から半分に引きちぎられてのたうち回る。
だが闇の衣の影響で、そんな状態からでも回復して行く…
「……辛くなったら、何時でもいいから自ら光の玉を使えよ」
皮肉を込めた口調で、巨大なドラゴンのリュカがゾーマを見下ろしながら呟いた。
「お、おのれ〜………キサマなぞ、ワシの凍てつく波動さえあたれば…」
そう言い終え、再度凍てつく波動を浴びせようと試みるゾーマ…
だがまたも避けられ、今度は灼熱の炎が彼を包み込む!
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
その炎はゾーマの身体を焼いて行く…しかし同時に闇の衣が焼け爛れて行く部位を回復する為、苦痛の時間が長きに渡る!
その間リュカはトドメを刺す訳でなく、苦痛に苦しむゾーマが落ち着くのをただ待っている。
そして反撃しようと身構える
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