いざ、出陣〜
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ズはふと自分の手を見た。・・・真っ赤に染まった、血塗れの手を。
「ひっ・・・!」
「・・・里香・・・殺したん、だな?」
「あたし・・・あたし・・・!いきなり、斬りかかられて、それで、咄嗟に、そうしたら、そうしたらぁ・・・!」
その時、俺達を狙う敵が襲ってきた。
「ちっ・・・空気読んでさがってろ!!」
闇を乱射して足止めをする。
「怖かったのよ・・・あたし、人殺しになって・・・」
「・・・そうだ。里香は人を殺した。だからもう逃げちゃダメなんだ」
「逃げ・・・?」
「ああ。命を奪ったなら、そいつの分まで生きるくらいの気持ちでいかないとな」
「・・・そんな軽く言わないでよ!!無理よ・・・あたしにはそんな・・・」
「・・・あのな、相手は殺されるのも承知で戦ってるんだ。それなのに殺した相手がそうじゃ相手も死にきれない。それに・・・お前が何人も倒したことで助かった人間だっているんだぞ?」
「そんなドラマみたいな綺麗事言わないでよ!」
俺は・・・亮みたいに上手く出来ないな。
「・・・そうだな、綺麗事吐いたって里香が人を殺した事に変わりはない。・・・だから、どうする?」
「・・・?」
「今退けばこれ以上汚れることはない。それとも誰かを守る為にその身を汚し続けるか・・・どっちかだ」
「・・・咲、は?」
リズが聞きたいことは何となく分かった。
「俺はとっくに汚れきってるよ。里香に会うずっと前から、な。でもそれでいい。・・・家族を守るためなら人殺しも構わない・・・そう自分に言い聞かせてきた。今までも、これからも・・・お前は、どうする?」
もう一度リズに問う。リズは泣きながら、震えながら・・・口にした。
「・・・戦う」
「・・・いいんだな?」
ゆっくりとリズは頷く。
「・・・少し、いいか?」
俺はリズに触れ、闇を探る。
『(どうッスか?)』
「(・・・大丈夫。闇が疼いてはいるけど、発現はしない。闇に負けない覚悟はあるようだ)」
『早貴、聞こえるか?』
「キリト?」
『今から俺達は前線に復帰する』
「はっ?アスナや直葉ちゃんは・・・」
『二人とも覚悟を決めてるよ。俺も・・・戦う』
「・・・戻れないぞ」
『今更だ。俺はとっくに人殺しだからな』
「・・・解った。戦線が維持できるまでは俺もここで戦うぜ」
『わかった。すぐに戻る!』
「リズ、行けるな?」
「ええ、こうなったらとことんやってやるわ!」
リズは未だに震えがあったが・・・
『(そこは咲さんがフォローッスね)』
「(おうよ)」
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