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ノヴァの箱舟―The Ark of Nova―
#5『ファーストリべリオン』:3
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たのは一本の剣。

 三本の刃を持った剣である。その刀身は片側に反り返り、刃はその片側にしかついていない。《刀》と呼ばれる武器に似ているが、刀身が三本もあるのは異形すぎる。禍々しくも、威圧感と神々しさを兼ね備えたその漆黒の三ツ刃刀の柄を、キングは強く握った。

「――――僕に力を貸してもらうぞ、《冥王(ブルートー)》」
『……ふん』

 突然、メイの脳裏に、低い男の声がする。どうやら刀自身が喋っているようだ。

『いい気なものだな。書庫の壁に何カ月もかけたまま放置しておいて、やっと出番かと思えばすでに戦ははじまっているようではないか。この冥王、甚だ不満であるぞ』
「許してもらおうか。とりあえず状況は万全なんだ。……《教会》の上位組織を此処で切れるかもしれないぞ?」
『ほぅ……それは楽しみだ。よかろう。我が力、存分に使うがいい。そして我を楽しませよ、赤き魔王よ』

 それきり、刀の声は聞こえなくなった。

「……キング、それって……?」
「ああ、これは《冥王(ブルートー)》。《王宮の勅令》で召喚される《神器》の一つだよ。ほら、僕の部屋に封印されてたでしょ」

 そういえば、初めてキングと出会った日、彼の部屋の上階に、この刀がおさめられていたような気がする。

「《教会》の正規兵である《十字騎士団》の戦闘能力はけた違いだ。僕も桁違いの宝具をもってして対抗しないとね。……さぁ行こう、メイ」

 そう言ってキングは、メイの右手を引いた。
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