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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第354話】
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トを構えるとそれが合図となり――。


「では――始めっ!!」


 言葉を合図に、両隣の一夏と篠ノ之は射撃を開始した。

 一夏の月穿はターゲットに直撃――綺麗に真ん中を貫通していて新たなターゲットが召喚されていた。

 出力を絞っての一撃だろう――流石に最大火力オンリーではダメだと思ったのか、はたまた今回の訓練用にそう設定したのかは一夏のみぞ知る。

 一方の篠ノ之も、雨月による打突――刃から放たれた複数の光弾が、ターゲットの真ん中を中心に穴だらけにしていった。

 俺はというと――補正も無しで目測で狙う箇所を選別――というか、最初だから真ん中で良いかと結論つけて引き金を引く。

 乾いた音が鳴り響き、硝煙の匂いが鼻につく。

 僅かに真ん中から逸れ、小さく弾痕の穴がターゲットに空いた――弾丸が風の影響を受けたのだろう。

 直ぐ様現在の風の風速や流れる風の向きを入力して微調整を行うと二射目――今度は真ん中に風穴が空き、それと共にさっきのターゲット分を含めた得点がハイパーセンサーに表示された。

 一夏と篠ノ之は快調に真ん中に当て続け、得点に差が開き続ける。


「織斑くーん、凄い凄いーっ!」

「篠ノ之さんも最高得点じゃん、頑張れーっ!」


 二人への声援が聞こえる中、俺は新たに出現したターゲットに狙いを定める。

 ――因みにだが、一夏も篠ノ之の武器も共にエネルギー粒子系統の武器で、実質気にするのは雨か大気の摩擦減圧率ぐらいなので基本真っ直ぐと狙ったターゲットへと射撃が可能だ。

 この点はセシリアも同じだが、彼女自身も途中からターゲットの狙う箇所を決めて射撃を行っている。

 それでも現状の最高得点というのは彼女なりの射撃スタイルへの拘りとプライドだろう。

 それはともかく、今度は三つ目のターゲットの右上外側の枠に狙いを定める。

 距離が離れてる為多少狙いにくいものの、三射目を撃つ。

 ヴェントから廃薬莢が落ち、足元に転がる一方、枠の外側を狙った弾丸は逸れ、かする事なくターゲットの横を通り過ぎていった。


「フッ、どうした有坂? 的が停まっているのに外すとは……無様だな」

「ん? ヒルト、調子でも悪いのか?」

「別にそんなんじゃないって。 ……ふぅ」


 軽く息を吐き、四射目――再度同じ箇所を狙うも微妙なズレによってまた弾丸は大きく逸れた。

 その間も、一夏も篠ノ之も順調に得点を稼いでいる――まあたまに真ん中以外に当たっていて二人の得点は徐々に違いが現れ始めているのだが――と、ここで風に乗って俺の事をひそひそと話す女子の声が聞こえてきた。


「……有坂くん、また外してる……。 布仏さんみたいにトロいならまだ笑えるけど
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