4話
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クト」を持つ存在。
これが魔法使い達の共通の知識であり、根底にある普遍“だった“。
例外は存在する、とは言え、そもそも較べる計りが違えばその普
遍性はやはり揺るがないのだ。
つまり――魔法使いの常識とは全く次元の違う「従者」が居る。
どういった理屈で呼び出され、どういった存在なのか理解不能。
ましてや、その主はまだ高校生。その成長過程に何か悪影響が無いか心配するのは、大人のエゴだけではない。
主を「高音・D・グッドマン」、従者を「衛宮士郎」と言う。
そんな周りの評価も、当人達には意味がない。
事実として、従者は呼び出され、主は対価を与えている。対価は魔力。成長過程での魔力の搾取に、大人達は危機感を持っているが、契約そのものに理解が及ばない為に解呪は出来ずにいる。
問題の従者も、存在そのものが魔力で構成されており、曰く「霊体」であるらしい。それを聞いた大人達は、当然「悪魔」などの“自身にとって理解出来る存在“に置き換え――結果、駆逐を前提とした戦いが起きようとしたのは想像に難くない。
幾重にも魔法が飛び、その男に襲い掛かる。
男は逃げもせず、ただ花びらに似た盾を敷き、耐えつづける。所々欠け、男自身ボロボロになりながら――それでも鋼のような身体と視線、その心は不動。
やがて何かを悟り、一人――また一人と攻撃を止め、再びその男を見詰める。
満身創痍。もう立っているのも辛いだろうに、その身体を休めようともしない。何より壮絶なのは、その瞳に込められた意志。
それに折れたのは大人達だった。
年輩の魔法使いが問う、「何故そこから逃げない」と。男は答える、「逃げたら護れない」と。
年輩の魔法使いが問う、「何故反抗しない」と。男は答える、「同じ目的を持つ者同士が争ってどうする」と。
短いやり取りだが――それで悟る。
彼はただ、護りたいだけ。その背後に横たわる、まだ幼い少女を――
――これが、奇妙な主従の4年前の一幕。
曰く、この従者は「霊体」らしい。
女子寮への不法侵入モドキも、単に霊体へと身体を戻したが故。
実体が無いのだから、侵入自体は楽だろう。
本来なら、彼のこの特性故に、そもそも「野放し」には出来ない。出来ないが、さすがは魔法を冠する者達の住まう地。対魔対霊処理はされている。でなければ、女子の貞操も危ないことこの上ない。本人がどうであれ、対外的にはそうだ。
故に、霊体化による透過は、対霊処理されていない場所や、主たる高音の傍や処置の一時凍結を高音が行った場合のみ可能。実体化すれば話しは別だが、物理的な重みの無い霊体では透過は無理。
つまり、高音の部屋に居たのはそもそも高音自身によるモノだった。
普段は、ある意味冷遇とも言える「屋上からの対外監視」を
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