第9話:新メンバーを選抜せよ−3
[6/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
れたお茶を飲んでいた。
(ホントに仲のいい夫婦だよな・・・)
ウェゲナーの座っているところからキッチンに並んで立つ夫妻の後ろ姿が見えた。
時折談笑する二人の笑い声がウェゲナーのところまで聞こえてくる。
(いいなぁ・・・家族ってのも)
恋人のいない自分の身の上を振り返り、ウェゲナーはそっと溜息をついた。
そのとき、ガチャッという音が背後から聞こえてウェゲナーは首だけで振り返った。
「あっ・・・・・」
そこにはパジャマを着て髪を下ろしたヴィヴィオが立っていた。
ヴィヴィオはウェゲナーを見ると、ピタッと一瞬足を止めて何度か目を瞬かせ
次いでゆっくりとウェゲナーの方に近寄ってくる。
「あの・・・お兄さんは誰ですか?」
おずおず、というのがピッタリな口調でヴィヴィオが尋ねると、
ウェゲナーは椅子の上で向きを変えてヴィヴィオの方に面と向かう。
「俺は君のお父さんの部下でウェゲナーっていいます。 よろしくね」
ウェゲナーはそう言ってヴィヴィオの方に手を差し出す。
するとヴィヴィオはその手を握って、ウェゲナーの顔を見上げるとニコッと笑った。
「わたしは娘のヴィヴィオっていいます。 よろしくお願いします」
ヴィヴィオの自己紹介を聞いてウェゲナーは笑みを浮かべる。
握手していた手を離すとヴィヴィオは首を軽く傾げる。
「ウェゲナーさんはなんでウチにいるんですか?」
「ヴィヴィオちゃんのお父さんに誘われて、お母さんのご飯を
御馳走になりに来たんだよ」
「へーっ、そうなんですか。 ママのご飯はどうでしたか?」
「とてもおいしかったよ。 ヴィヴィオちゃんたちは毎日あれを食べられて
うらやましいよ」
「えへへっ、わたしもそう思います」
ヴィヴィオはそう言って自慢げに胸を張って笑った。
そしてヴィヴィオは"わたしはおやすみの挨拶をママとパパにしてきますから"
と言ってキッチンに歩いて行った。
少しして再びウェゲナーの前に現れると"おやすみなさい"とぺこっと頭を下げて
挨拶をしてから部屋を出て行った。
ウェゲナーがヴィヴィオの出て行ったドアの方をぼんやりと見ていると、
キッチンの方から聞こえていた水音が止まり、なのはとゲオルグが
ウェゲナーの向かい側に腰を下ろした。
「かわいいお嬢さんですね。 人懐っこいですし」
「はは、そりゃどうも」
ウェゲナーがヴィヴィオのことを褒めると、ゲオルグはニコッと笑って答えた。
それからお茶を飲みながら雑談をし始めた3人だったが、
そろそろ寝ようかという時間も近くなり、なのはは立ち上がった。
「ウェゲナーさんのお部屋を準備してくるね」
「ん。 頼むよ」
なのはがダイニング
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ