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特殊陸戦部隊長の平凡な日々
第9話:新メンバーを選抜せよ−3
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ェゲナーは
相当に慌てた様子で両手を顔の前でふる。
そして、急いで口の中の食べ物を飲み込もうとしたせいかむせてしまう。
何度か咳きこんだあと、ウェゲナーは困った顔をしてゲオルグに反論する。

「なんでご本人を前にしてそんなこと言うんですか!? ひどいですよ!!」

「だって事実だろ」

「いや、まあ、そうなんですけど・・・・・。
 でも、奥さん本人の目の前で言わなくてもいいんじゃ・・・」

尻すぼみにだんだんとウェゲナーは小声になっていく。
そしてウェゲナーは俯いて黙り込んでしまう。
食卓の雰囲気がすこし陰気になりかけたとき、なのはが口を開いた。

「でもさぁ、ゲオルグくんだってわたしのことを女の子扱いしてなかったよね」

なのはは悪戯っぽい目線をゲオルグに送りながらそう言うと、
付き合い始める前、ただの友達同士だったころのエピソードを語り始める。

「一緒にご飯を食べてたら、わたしのを見て大食いとか言ったり。
 わたしを呼びとめるのに髪をひっぱったり。
 あとねぇ・・・・・」

それからもいくつも出てくるゲオルグの所業に、ウェゲナーは笑い声をあげ始める。

「ぶ、部隊長! それはひどすぎますって! あはは・・・」

腹を押さえて笑うウェゲナーをゲオルグはぶすっとした顔で見ていた。
しばらくしてひとしきり笑い終えたウェゲナーは、真面目な顔でなのはを見た。

「それにしても、そんな相手とよく結婚する気になりましたね」

「うーん、そうだね・・・・・」

なのははそう言うと人差し指をほっそりとした顎にあてて
考え込むようなそぶりを見せる。
そして、ちらっとゲオルグに目線を送るとウェゲナーに向かってニコッと微笑んだ。

「確かにゲオルグくんはいじわるだし、
 すぐに自分一人で問題を抱え込んじゃうような人なの。
 でもね、とっても優しくて、心の中に強い芯をもってて
 わたし達家族や友達のことをとても大切にしてくれる人なの。
 だから私ね、ゲオルグくんのことが大好きなの。それが結婚した理由かな」

なのはが少し頬を染めてそう言うと、ゲオルグは真っ赤な顔をしていた。

「恥ずかしいこと言ってんなよな、まったく」

「そんな憎まれ口を言っても、奥さんがそう言ってくれることは嬉しいんですよね」

ゲオルグがなのはに向かって言った照れ隠しの一言に対して、
ウェゲナーがニヤニヤ笑いながらそう言うと、ゲオルグは鼻息も荒く
"うるせえ! 黙ってろ!!"と言ってムスッとした顔を見せた。

その様子を見ていたウェゲナーとなのはは声をあげて笑った。





夕食を終えると、ゲオルグとなのははキッチンで後片づけをはじめた。
食卓に独り残されたウェゲナーはなのはの淹
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