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流星のロックマン STARDUST BEGINS
憎悪との対峙
23 空白の日々
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理由は分かり始めていた。
まだ学校には秘密があるということに。

「あの学校には次世代のITや医療を担う生徒の教育も行っている。そのための実験設備があるの。それを使えば、メリーの正体も解析できるわ。人間という存在をそのままデータ化した特殊な存在だということもね」
「....一刻も早く助けださなきゃならない...連中がメリーの正体に興味がなければ、何をするか分からない」
「同感。間違いなく生きて返してくれることは無いでしょうね」
「....」

彩斗は目を瞑った。
最悪の状況、それは生徒たちが皆殺しにされ、ジョーカープログラムを奪われる。
そしてメリーも役立たずと判断されれば殺される、いや殺されるどころではないかもしれない。
集団での強姦や紛争地帯に売り飛ばされる可能性も無いとはいえない。
起き上がろうとするが、体が重かった。

「ムリしないで」
「ゴメン...」

アイリスは彩斗を再びベッドに寝かせた。
それを確認すると再びハートレスは語り出した。

「現在、警察とSWAT、そしてWAXAが学校を取り囲んでいるからValkyrieもプログラムを盗み出せたとしても脱出はそう簡単にはいかない...と言いたいところだけど」
「どうせ地下に秘密の抜け穴でもあるんでしょ?軍事機密的な要素を含んだ...」
「正解」
「その学校、国家も裏で繋がってる」
「それも正解」

ハートレスは彩斗の頭の回転の早さに舌を巻いた。
そして彩斗には既にその後も予想がついていた。

「国際機関のWAXAはその手の機密を保持する必要はないからお構いなしに事件を解決しようと動く。でも警察や自衛隊は国家の息がかかっているために足を引っ張る。ハッキリ言って彼らに頼っていては事件解決は無理でしょうね。つまりメリーを助けるならディーラーが動くしか無い」
「でも僕がクインティアとジャックを倒してしまった」
「...お陰で戦力ダウンしていることは否めない」
「でも電波変換を使える人間なら学校の内部に侵入してメリーを救うことだって...」
「無理。学校から半径10キロメートルは妨害電波で覆われている。電波変換は出来るけど、人間と同じで現実空間にしかいられない」
「....ケータイも無線機もダメ...」
「でも逆に言えば、現実空間なら訓練した傭兵でも電波人間には勝てない。どうする?さぁここまで聞いて、どうするかはあなたの自由。更に詳しい情報を知り、協力を仰ぎたいというなら2階のリビングに来なさい」

ハートレスはそう言って、部屋を出て行った。
アイリスはペットボトルから漏れた水を拭きながら、彩斗に話し掛けた。

「あれじゃまるで、サイトくんが来るって...分かってるみたい」
「そのつもりだよ、ハートレスは。僕がメリーを放っておけ
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