21話:欠陥電気
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て、絹旗と今日の日は超さよならした帰り道……
しかし、解せない。どうも腑に落ちない。なんで、あのアニメ映画がこの時期にこのタイミングで、オレを見計らって上映されたのだろうか。
もしかすると、タダの偶然なのかもしれない。でも、それ以上に悪意しか見えないその上映に、一緒に観ていたあの超絹旗が関係しているんじゃないかとさえ疑ってしまえるタイミングの悪さだった。
もしかしたら、アニメでは描かれなかった物語の裏方でこの子が何か暗躍していたのかもしれない。
そもそも、これから起こる殺戮ショーなこの世界で、未来予知もいいところな予告アニメ映画が上映されるものなのか……
誰が何のために?? 今から5日後ぐらいか?? 誰かが予知してアニメを作って訴えているとでもいうのか……
いや、考えすぎなのかもしれない。でも、そうじゃなければ……
仮に超絹旗があの殺戮アニメを作ったとして、オレに何を問いかけているのだ?? 妹達を助けろってか??
いやいや、自惚れもホントいい加減にしろよ、オレ。
それに例えそうだとしてもオレは関係ない話だから美琴も含めて助けない。
それよりも、だ。
このタイミングで遠くの方で爆発音がここまで轟いた。
「………」
音がした方を振り向けば爆煙もうっすら見えたりする……
「さて、このタイミングで景気の悪い爆発音……偶然にしてはちょっと出来すぎているな」
誰に問いかけるわけでもないけども。
もう、最悪の言葉しか思いつかないほどオレの中の何かがはじけ飛びそうだ。
き、きっと祭かなにかで使用するはずだった花火が誤爆したんだ……うん、きっとそうに違いない。
「じぇじぇじぇ……」
もう何を言い訳にしても、自分に言い聞かせても無理があるだろうか。
オレは平穏が欲しいんだ。だから、オレは動かなかった。何もしなかった。もう既に1万ほど妹達はセロリの手によって殺されたに違いない。だから、今更オレが何かしたって一緒じゃないか……
でも、逆に今から動けば助かる命もあるのかもしれない、そんな望みの薄い希望。
今から何をしたって、そんなんで、目を瞑って見捨ててきた彼女たちの罪滅ぼしさえできるはずもないのに……
「こ、これで本当に最後だから……」
この優柔不断男め……
結局はこうなるのな、気がつけば体が動こうとしていた。
しかし、第三者によって止められた。超絹旗ではない……
「ここから先、部外者は首を突っ込まない方がいいぜよ。イッチー」
「邪魔だよ、どけよシスコン野郎」
なんてタイミングで現れるんだ。
まるで、こうなることがわかっていたかのように、見計らったかのように
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