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落ちこぼれの皮をかぶった諜報員
 第2話 勇人「ちょっとだけ本気出す」
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しているんだろう……それなら、尚更助けないとな……)

「分かった。おとなしく撃たれますよ。」
ナイフをしまい、両手を上げる。
「ほう……。いい度胸だな。なら、お望み通りぶち殺してやるよ!」
「だ、だめです!! 私の事はいいから早く……お願い……」

(チャンスは一瞬、一か八か、銃弾を避けた直後に奴の手にナイフを投げて、怯んだところを一気に攻めて銃と人質を奪う!)
勇人は一か八かの賭けに出る……。

「あばよ! 落ちこぼれの能無し武偵!」
「やめてー!!!」
男が引き金を引くと同時に――否、それよりも一瞬早く――
(今だ!!)
勇人は動いた。
「な!?」
「え!?」
「くらいな!! くそ野郎!」
男の銃を持った手に目掛けて投げナイフを投擲した。
「ぐっ!! しまった!!」
男は銃を落とした。そして――
「計画通り!!」
勇人は地面を思いっきり蹴り、一気に男に接近して男の顔面に渾身のパンチを放ち、男を殴り倒した。

「大丈夫かい?」
「は、はい……」
勇人は銃を拾い女の子を抱き上げ、すぐにバックステップをして男から距離を取った。
「糞ガキが!! なめたことしやがって!」
男は立ち上がりながらナイフを懐から出し、勇人に向かっていった。
「ちい!! 僕は家に帰ってテレビを見るんだよ! 邪魔すんな!!」
勇人もナイフを構え直し、男と対峙する。

(あの構えは突き攻撃……いや! フェイントか!)
勇人の予想通り、男は突くフェイントをし、勇人の首に狙いを定めてナイフを右から左へ走らせる。
対する勇人は、上体を反らし回避する。すると男は勇人の動きを予想していたのか、今度は左から右へ、ナイフを振るう。
勇人もただではやられまいと、手に持っているナイフで男のナイフを受け止める。
しかし、そこへ男はすかさず蹴りを入れる。
(!? やばい!! この蹴りくらったらただじゃ済まない!!)
「うおっ! 危なっ!」
勇人はバックステップを取りギリギリで回避した。


「ほう……。やるな……ただのガキじゃないと思ったが、その戦い方、相手を殺すためのものだな。それにさっきから顔に出ている、殺し合いに慣れた顔だ。やっぱり“裏”の出身か?」

(この野郎……さっきの蹴りを放つときに纏っている雰囲気が急に変わった……“裏”を知っているってことは、こいつも“裏”の……厄介だな……)
とっとと決着をつけないとな。テレビが始まっちまう。


「お別れの時間だ! 糞ガキ」
男はそう言い、踏込みと色々なステップを駆使して、勇人に攻撃を仕掛ける。
勇人も巧みに体を反らしたり、ナイフで男の攻撃を防ぎながら僅かな隙を探す。


(くそっ! 埒が明かないな。覚悟を決めて攻めるかしかないか……)
勇人はナイフを
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