第2話 勇人「ちょっとだけ本気出す」
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昼休み――
「結局寝れなかったな……。まあ、眠気も覚めてきたし別にいいかな」
さて、5限目からは各学科で訓練をするか、クエストをこなすかのどっちかだが……
「うーん。今日はクエストにでも行こうかな」
「おーい勇人、ちょいと俺と模擬戦してくれないか?」
雄一が模擬戦の誘いをしてきた。
「雄一、僕は戦闘が苦手なことは知っているだろう? 弱い者いじめはよくないと思うよ」
「人聞きの悪い事言うなよ! 周りから誤解されるだろう! ライカに勝つために、少しでも経験を積まないといけないんだ! そしたらお前も強くなって一石二鳥だろう?」
「ゲームみたいに経験積むだけで強くなれるなら誰も苦労しないと思うんだけど……」
「まあまあ細かい事は気にしないで! さあ行こうか。いざぁ……」
近接格闘訓練所に強制連行され、雄一と近接格闘の訓練をした。
結果は言わずとも分かるだろう。
互いに構えた直後、雄一が地を蹴り一気に間合いを詰めてきて僕は右手首を掴まれ、一気に引き寄せられた。そして、そこに柔道の大外刈のように足を掛けられダウンを取られてしまった。しかも、その際に背中を強打してしまった。
「痛ぇ……。 手加減ぐらいしてくれてもいいじゃないか……それにしても痛いな……今日はもう帰ってゆっくりしよう。 見たいテレビ番組もあるし」
寮に向かって帰っている途中……
「今日は人がとても少ないな……どうしたんだろう?」
そう疑問に思っていたら――
「や、やめてください! 離して!!」
「うるさい!! いいから早く乗れ!!」
黒髪の中学生ぐらいの女の子が黒スーツをきた男2人に無理やり車に乗せられていた。
そして、車はもうスピードで走っていった。
「……………………」
「ええええええええええ!? 公衆の面前で堂々と誘拐したああああああ!?」
と、とりあえず通報し――。
(いや待て。あれはどこからどう見ても身代金目当ての誘拐だ。下手に通報したら面倒なことになりかねない……ここは警察や武偵が動く前に早急に人質の救出、そして男たちの拘束、その後に警察に知らせよう)
「やれやれ、背中が痛くて本調子じゃないのに……」
(まずは奴らがどこへ向かったかだな……。まあこういう時は街から少し離れた倉庫とかが1番ピンと来るかな。車が走って行った方向から考えたらレインボーブリッジだろう。あそこの近くにある倉庫なら人を隠すには十分すぎる程、大きい倉庫があったはずだ。確実にそこだな。僕の勘がそう告げている)
「となると……まずはいかに早く、辿り着くかが重要だな。せめて自転車でもあればいいんだけど……まあ、そう都合よくあるわけないか……よし、こうなったら……」
「Heyタクシ‐!!」
ふう、ここだな……。
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