空白期 第3話 「王さまは家庭的」
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、ショウはともかく私は辱めているつもりはないよ」
「それはそれで性質が悪いです!」
おそらくディアーチェがこのような反応をするからレーネさんはからかうのだろう。
ふと思ったが、もしかしてシュテルの一部の性格はこの人の影響を受けているんじゃ……。もしそうだったらシュテルだけが悪いわけじゃないからこれまでのように言えなくなるかもしれない。
「ディアーチェ、少し落ち着きたまえ」
「事の発端の人物がそれを言うんだな……」
「今度はショウの話をしよう」
ここで話題を切り替えたのは俺の独り言が原因なのか。
いや、今はそんなことはどうでもいい。レーネさんはいったい何を話すつもりなのか、ということのほうが重大なのだから。
とはいえ、俺の話など大したものはない気がする。レーネさんと一緒に何かをしたようなことはあまりないし、魔法関係のことを話すとも考えにくい。とりあえず聞いてみて対応しよう。
「実はだね、ショウにははやてくんというガールフレンドがいるのだよ」
飲み込む瞬間に発せられたその言葉に俺は盛大にむせる。ディアーチェが心配して声をかけてきたが、手で大丈夫と返す。
「大丈夫かね?」
「あぁ……レーネさん、今のどういう意味で言ったんだ?」
別にはやてとの関係を秘密にするつもりはないが、彼女は友人だ。ガールフレンドが女の子の友達という意味ならば話を続けてもらっても構わないが、変な意味の場合はやめさせなければならない。ディアーチェに誤解されると、シュテルにも伝わって面倒なことになる可能性もあるのだから。
レーネさんは言葉ではなく小指を立てるという返しをしてきた。いったい何が言いたいのだろうか、と思ったが彼女の表情や雰囲気から俺にとって嫌なことを表現していると判断する。
「違う。俺とあいつはそんな関係じゃない」
「おや? 私の記憶が正しければ、君は彼女からバレンタインにチョコをもらっていたはずだが……」
「……レーネ殿、我に視線で問われても困るのですが。我はそのはやてという少女を知りませんし、この世界の文化も詳しくありませんので」
「ふむ、確かにそうだね」
ディアーチェに返事を返すとレーネさんは席を立つ。戻ってくるのに時間はかからなかったが、手には先ほどまでなかったものが握られていた。
それは俺とはやてが一緒に写っている写真だった。レーネさんはディアーチェに見せながら再び話し始める。
「この君に瓜二つな子がはやてくんだ」
「はあ……」
ディアーチェははやての姿を見ても大した反応を見せない。彼女としてはそこまで似ているとは思っていない。またははやての写真を見せられたからといってどのように反応すべきか迷っているのかもしれない。
レーネさんは反応の薄いディアーチェを気にす
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