空白期 第3話 「王さまは家庭的」
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るせいか冷静を保っていることにふと気が付く。
自分も関係しているというのに、他人事のように見ているのはいけない気がする……が、迂闊に会話に参加するとややこしくなる恐れがある。可哀想な気もするけど、ここはディアーチェに任せよう。
「確かにそうだね……でも、時の流れというものは意外と早いものだよ。君達もあと数年もすれば恋人がいるかもしれない」
「それに関しては否定できませんが、先ほどのこととどう関係があるのですか。話がずれているように感じますぞ!」
「ん? おや、君達には言っていなかったかな」
レーネさんは小首を傾げる。
……メガネがずれたのに直さないんだな。もしかしてレーネさんはまだ眠たいのだろうか。何日も徹夜をしたことがないだけに、この人の眠気がどれくらいなのか想像がつかない。
「君達が生まれる前……いや、生まれてすぐだったかな。兄さんと君のお父さんが将来子供達を結婚させたいと言っていた……気がする。先ほどのことにも一応関係はあるのだよ」
言い終わるのと同時に俺は隣に座っているディアーチェに視線を向けた。彼女も同時にこちらを見たのか視線が重なる。
ディアーチェの顔は熱でもあるのではないかと思うほど真っ赤に染まっていく。何か言おうとしているようだが、恥ずかしいさのあまりに上手く言葉にできないようだ。
「まああのときのふたりは大分酔っていたし、別に許婚というわけではないのだがね」
「――っ。だ、だったらなぜ言ったのですか!」
「互いのことを知ってもらおうかと」
「今のは我々に恥ずかしい思いをさせただけではありませんか! 普通そう思ったのなら思い出話をするのではないのですか。おいショウ、貴様も何か言わぬか……って、何を呑気に食事をしている!」
酔っていたときの会話ならばそこまで気にする必要はない、と判断したから食事を再開しただけなのに、なぜ怒鳴られなければならないのだろうか。
ディアーチェって容姿ははやてにそっくりだけど……こういうところはあまり似てないな。バニングスには似ている気もするけど。
「美味しいから冷める前に食べたい」
「つまりショウはディアーチェを嫁にしてもいいと?」
「いや、そうは言ってない。将来的に良い嫁になりそうってことには同意するけど」
シュテルが前に家事ではディアーチェには敵わないといったことを言っていた気がするし、料理だけでなく掃除も得意だろう。言動があれだが家庭的な少女であることに間違いはないと思われる。
シュテルも家庭的ではあるが、凝り性なので料理などは店で出るようなものを作ってしまうので食べづらさがある。気楽さを考えるとディアーチェに軍配が上がるだろう。
「き、貴様! 我ではなくレーネ殿に味方するか。我を辱めて楽しいか!」
「ディアーチェ
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