原作開始前
どうしてこうなった?
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、確実にどこかでスポーツだと思ってしまっている。それさえ、それさえ無ければ貴女はもっと強くなれるのに……。貴女は俺とは違う。才能があるんです。今の俺が貴女より強いのは経験があるからだ。俺には才能がないから鍛練をし続けた。でもね、秀才はどう足掻いても天才にはなれないんです。でもね、貴女は天才だ。貴女は俺より強い。だから、俺と同じ目に遭って欲しくないんです。だから、だから……」
言葉が続かなくなる。悔しい。伝えたいことはあるのに言葉にならない。そう思っているとさらに強く抱きしめられた。
「分かった。だから私に覚悟をもって欲しいということだろう?」
分かってくれた。安心すると、急激に眠気が襲ってくる。やはりあの記憶を思い出したのと、あの動きは、心にも身体にも影響が出てしまったみたいだ。瞼が落ちない様に頑張っていると、
「寝てしまってもいい。私達のせいだからな」
「ありが……とう……ござ……ます」
俺の意識は闇に沈んでいった。
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眠ってしまった。私が許した途端に彼方は寝てしまった。抱きしめたままでは寝づらいだろうと思い膝枕に体勢を変えながら、私は束に話を振る。
「なあ、束。今の彼方の話をどう思った?」
「うん。かーくんの話は本当だろうね。嘘であんな話をしながら泣くなんて私にもできないよ」
驚いた。束が彼方のことをあだ名で呼んだ。つまり、
「彼方が気に入ったか? 束」
「うん、興味は湧いてたからね。そういうちーちゃんもでしょ」
「まあな、なんというかほっとけない」
「私もそんな感じだよ」
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目を覚ますと、千冬さんに膝枕されていた。……なんで!? すごい優しい目で二人に見守られてるんだけど!?
そこに、千冬さんが声をかけてきた。
「なあ、彼方。その記憶をもってて辛くないか?」
「まあ、少しだけ」
「母親には言っていないのか?」
「……言ってないですね」
「なら、寄りかかる場所がないだろう。だから、私がその場所になろう」
「?」
「彼方、私を姉と呼べ」
「はい?」
「あ、ずるいよちーちゃん! かーくん、私もお姉ちゃんって呼んで!」
「かーくん?」
「彼方だから、かーくん!」
すごいテンション高く言われた。あだ名ってことは気に入られた?
「なんで、姉なんですか?」
「いや、なんだかほっとけなくてな」
「なんか、弟みたいなんだよねぇ」
「さいですか」
まあ、頼れる人がいるっていうのはいいかもな。
「じゃ、じゃあ、千冬姉さん」
「ああ」
「束姉さん」
「ぶー、束お姉ちゃんってよんでよー」
「恥ずかしいので嫌です」
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