原作開始前
どうしてこうなった?
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遭う。それだけはやめてほしい」
「何があったんだ?」
「……俺達は召喚された後、戦いました。俺が戦っていた理由はただ一つ、仲間を守るためです。今の千冬さんと同じです。それなりに戦闘経験も積んで、モンスターも散々殺しました。で、ある程度たった時です。相手の幹部クラスの奴と戦うことになって、そいつは普通に「影の世界」の住人で俺達と同じ人間の姿をしていた。戦いは俺達が優勢で、俺は前衛で敵と戦っていました。最後、そいつに止めをさそうとしたときに俺は躊躇った。俺は覚悟が出来ていなかった、W殺すWつまり相手の命を絶つっていうことの。ビビったんですよ。自分と同じ人間を殺すことに。散々殺したモンスターだって同じ命なのに。その躊躇いのせいで」
「「…………」」
千冬さんも束さんも何も言わない。
「その躊躇った隙を突かれて、俺は後ろに守っていた親友をそいつに殺されました」
「「…………っ!」」
二人は息を飲んだ。そりゃそうだよな。俺だってそうなる。
「俺は怒りで真っ白になりました。散々躊躇った癖にそいつを殺しました。何度も何度もそいつを刺して刺して……俺は俺は」
あの時の記憶がどんどん甦ってくる。怒りで真っ白になる。あいつの最期の顔が思い浮かぶ。涙が零れていくのが分かる。俺を制止する■■■の声。あいつを殺した奴の笑い声。奴を刺している剣に映る自分の顔。奴と同じ顔で涙を流している。飛び散る肉と苦しそうな呻き声。そして…………
そこまで思い出してると、突然抱きしめられた。千冬さんと、驚くべきことに束さんもだった。なんで抱きしめられてるんだろう。そう思っていると、
「すまない。私のせいだ。私のせいでそんなことを思い出させてしまった」
「続きを促した束さんも悪いよ。だから、だから……そんな風な顔をしながら泣かないで……」
束さんに涙を拭われる。そこで右手に走る鈍痛に気がつく。見てみると血が流れていた。どうやら無意識に握りしめていたらしい。
「すみません。ありがとうございます。ただ、もう少しこのままでいさせてください」
久し振りに感じる人の心の暖かさが嬉しかった。
「あと少しだけ、続きがあります」
「しかしそれは……」
「いいんです。話すって決めましたから。そしてあなたには絶対伝えなければいけない」
「……分かった」
「いいの? ちーちゃん」
「いいさ、彼方が決めたのだから」
なんだろう。スゴいお母さん、または姉目線から見守られてる気がする。
「俺はそれで気づいたんです。守るだけじゃだめだ。人を殺すことから目を背けちゃいけないんです。剣道も元は殺人術です。でも今は違う。こう言っては怒られるかもしれませんが、言わせて貰います。貴女は甘い。
剣道を習っているから大丈夫と思っているけど
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