高校2年
第三十八話 理想的?
[2/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
!」」」
知花の言葉に応じて、グランドの円陣、そしてスタンドの円陣から声が上がる。
「花は赤くて!」
「「「海は青い!」」」
「子どもは元気で!」
「「「年寄り長生き!」」」
「島から狙うは!」
「「「この国のてっぺん!!」」」
「そうや俺たち!」
「「「ナンバーワン!!」」」
知花がここで一つ間を置く。周囲をしっかり見回してから、一際大きな声で叫んだ。
「今日も勝つぞォ!」
「「「うぉぉおおおおーー!!」」」
最後、全員で右手の拳を円陣の中心に掲げて気合を入れた。この“儀式”は地元出身の知花が始めた事で、チームを、いや、島民の心も一つにする。
気合いを入れてベンチへと戻っていく南学ナインの背中に、アルプスからの大声援が浴びせられた。
「「「我ら〜パシフィカン!
世界の南学(世界のナンガク!)
倒せ〜三龍〜
無敵のナンガクーッ!!」」」
ーーーーーーーーーーーーーーー
「エグい応援やな」
「爆音や。爆音としか言いようがない。」
南学アルプスの大応援には、三塁側アルプスに陣取った三龍応援団も圧倒される。牧野と林が驚愕し、目が点になっていた。
「……でも負けてられへんな」
「サタデーナイトいきまーっす!1、2!1、2さんはいっ!」
負けじと三龍応援団も対抗。
全校生徒による口ラッパが響き渡る。
「「「さぁいこうぜ どこまでも
走りだせ 走りだせ
輝く俺たちの誇り 三龍 三龍
うぉっおっおーおー」」」
試合前にも関わらず、球場のボルテージはどんどん上がっていった。何故ならこの試合は、両校にとって初の甲子園を決める戦い。
三龍スタメン
4渡辺 右右
6枡田 右左
9越戸 右左
7太田 右右
5飾磨 右右
2宮園 右右
8鷹合 右左
1美濃部 右左
3安曇野 左左
南海学園スタメン
8知花 左左
4比嘉 右左
7当山 左左
1安里 右右
3知念 右左
9仲宗根 右左
5名賀 右右
2柴引 右右
6諸見里 右左
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「おい、ここに居たんかい」
「あ、武」
バックネット裏観客席の1番高い所に座っていた葵の側に、腹を揺らして武がやってくる。
葵の格好は、私服だった。前のように制服ではない。
「……さすがに今日は、南学は応援できんけん」
「ほんで、全校応援から抜け出してきたんか。悪りぃ〜なぁ〜」
口ではそう言いながら、武も葵のそばにドカッと腰を下ろす。武も、考えている事は葵と同じである。
「勝って欲しいのう。」
「うん。」
あえて、どっちがとは言わなかった
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ