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魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
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は難しい術式だった。わざわざ転移門と呼ばれる大掛かりな儀式魔術でのみ転移を行っていたのだ。ゆえにシャマルの様な個人で、しかも高速での転移術式に、魔術師のイヴィリシリアは遅れを取るしかなかった。

「こちらイヴィリシリアです。捕虜となっている二人のどちらか一人を解放します。二人で相談し、決まった時点で再度隠れてください」

穏やかな声でヒミンビョルグ城中央区にそう声を流すイヴィリシリアだったが、額には青筋、こめかみもピクピクと動いている。よほど悔しかったようだ。シャマルの攻撃を喰らったことが。

「はぁ。雷撃術師と幻影術師。どちらが解放されても厄介だわ」

あらゆる面で制限されてしまっているイヴィリシリア。速度面ではフェイトとほぼ互角。ティアナには幻術を駆使され時間稼ぎをされた。その二人のどちらかともう一度相対して捕まえ直し、自分に一撃入れたシャマルを捕まえ、そしてまだ見ぬスバル、エリオ、キャロ、ザフィーラを捜索し、戦い、捕まえなければならない。それを残り僅かな時間で全てこなさなければならない。

「・・・こうなれば真技で一気に・・・。って何を馬鹿な事を考えているの私は」

少しでも真技を使おうとした事に自己嫌悪に陥り、“ホヴズ”の柄尻にゴツンゴツンと額を打ち続ける。イヴィリシリアの真技、天地刃巻(てんちじんけん)天壌裂破(てんじょうれっぱ)は広域天壌殲滅攻性術式だ。
使えば今隠れている黄チームメンバーを見つけることは出来るだろう。もちろん中央区を根こそぎ吹き飛ばすことで、だ。しかしそれでは隠れ鬼として成立しない。だから使わない使えない。

「・・・はぁ。やれるところまでやりますか」

額を打ち付けるのを止め、“ホヴズ”を床から抜いて肩に担ぐ。踵を返し部屋を出、「風査」と告げて探査術式を発動。

「反応は二つか。さっきの娘はもういいわ。他の二人に標的を変えよう」

シャマルがこの階に居ないと判ると、イヴィリシリアはもう色々と諦めた。このお題は自分の負けだと。だからこそ

――瞬風――

「せめて今度はどんな魔法が見れるのか楽しみたいわね♪」

先程までの鬱屈はどこへやら。そんな期待を抱きながらイヴィリシリアは廊下を翔ける。

†††Sideルシル†††

少し先のマスが白く光る。フェイトたち黄チームが戻ってくるようだ。光も治まると、そこにはフェイト達が疲れた顔をして佇んでいた。シャマルだけはニコニコと満足そうな顔だが。ふふ、フェイト達はイヴ義姉様に揉まれたな。

「フェイトママ〜〜!」

ヴィヴィオが両手を大きく振ってフェイトを呼ぶ。フェイトは「ヴィ〜ヴィ〜オ〜〜」と力なく手を振り返してきた。

「フェイトお母様もそうですが、皆さん疲れていますね」

「ルシルさん。イヴィリシリ
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