誰かの為に生きることを知った青年の話
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あ、本当に最後。謝らなければいけない人がいます。』
ティムから聞こえる、アレンの声。まだ、続きがあったのだ。
目を見開いてティムに手を伸ばす。アレンの、本当に本当の最期の言葉は、重く、しかし暖かく、神田の心に染み渡った。
それは、確かに止まっていた彼の心を動かした。神田は涙を拭うと、以前のような、真っ直ぐ前を見つめる強い瞳に戻っていた。
ーーー覚悟は決めた。生きたかったお前の分まで、俺はーーー
『……あ、本当に最後。謝らなければいけない人がいます。…神田。
あんな話、して、ごめんなさい。神田には、話しておきたくて。ただの僕のワガママです。ごめんなさい。
ワガママついでに、ひとつ、お願いがあるんです。ーーーティムのことなんですけど。とても神田に懐いているようなんです。続けて2人と主を失って、ティムには本当に悪いと思っているんですが…。
ティムを、お願いします。
僕には、神田は、生き急いでいるように見えます。生に執着するのに、反面自分のことを顧みない。どうか、ティムのために。…それを頼んだ、僕のために。生きてください。
……ティム、いいよ。ありがとう』
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