暁 〜小説投稿サイト〜
とある仮想世界、少年と青年の物語
誰かの為に生きることを知った青年の話
[3/3]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き
あ、本当に最後。謝らなければいけない人がいます。』

ティムから聞こえる、アレンの声。まだ、続きがあったのだ。
目を見開いてティムに手を伸ばす。アレンの、本当に本当の最期の言葉は、重く、しかし暖かく、神田の心に染み渡った。
それは、確かに止まっていた彼の心を動かした。神田は涙を拭うと、以前のような、真っ直ぐ前を見つめる強い瞳に戻っていた。

ーーー覚悟は決めた。生きたかったお前の分まで、俺はーーー

『……あ、本当に最後。謝らなければいけない人がいます。…神田。
あんな話、して、ごめんなさい。神田には、話しておきたくて。ただの僕のワガママです。ごめんなさい。
ワガママついでに、ひとつ、お願いがあるんです。ーーーティムのことなんですけど。とても神田に懐いているようなんです。続けて2人と主を失って、ティムには本当に悪いと思っているんですが…。
ティムを、お願いします。
僕には、神田は、生き急いでいるように見えます。生に執着するのに、反面自分のことを顧みない。どうか、ティムのために。…それを頼んだ、僕のために。生きてください。
……ティム、いいよ。ありがとう』

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ