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戦国御伽草子
参ノ巻
死んでたまるかぁ!

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ら気絶されたのよ」



「湯堂?それァ・・・」



 惟伎高は言葉を切ってちらとあたしを見ると、これ見よがしな溜息をついた。



「やめとォけ」



「えぇ?あんたまでそんなこと言うの?抹ほどの引っ込み思案には荒療治ぐらいが丁度良いのよ。別にあんたと入れって言ってる訳じゃないし、かわいいもんだと思うけど」



「程ほどの荒療治はいいかもしれねェが、それァ過ぎるってもンだ。ピィ。おまえも一応嫁入り前の娘だァろ?」



「そうよ?」



 言いながらあたしは不安になってきた。なんだかこの二人と話していると、温に一緒にはいることが、なんだかもの凄い常識外れな事な気がしてくる。でもでも、女同士よ?母上とも一緒にはいったこともあったし・・・。別に普通に一緒にはいってもおかしくない、わよね?



「おまえは本当に、鋭いのか鈍いのかわからん」



「ちゃんと湯帷子(ゆかたびら)着るわよ?」



「わかってェる。そう言う心配をしてるんじゃねェよ」



 惟伎高はそう言いながら、あたしの頭をくしゃくしゃと撫ぜた。



「悪いことは言わねェから、風呂はやめとォけ。いいな?」



「・・・わかった」



 あたしは渋々頷いた。良い考えだと思ったんだけどな・・・。



「・・・ねぇ、それより何かくさくない?」



 あたしは鼻を摘まみながら言った。



「ん、そうかァ?」



「なんかこう・・・生臭い。生ゴミでも放置してる?」



「生ゴミ・・・そいつァもしかしてこれのことかァ?」



 惟伎高はそう言うと、さっと障子を開けた。



「ほげ!?」



 あたしは思わず、鼻と口を覆った。猛烈に吐き気を誘う臭いが先刻と比較にならない強さで流れ込んできたのだ。



 い、いる!なにかが・・・あたしが未だかつて遭遇したことのない、得体の知れないなにかが、あの障子の向こうに、いる!



「あっ、くそ猫に齧られてやがる。抹の分だってのに・・・」



 たらりと背を汗が伝う。惟伎高が障子の向こうで何か盆栽のようなモノを持っているのが影でわかる。あたしは今すぐに背を向けて走り出したい衝動に駆られた。しかし腕の中の抹の存在が、あたしの足を引き留める。惟伎高は「まぁつぅのぉお〜ぶんん〜」と呪いの言葉を吐いていた。標的は抹だ。抹が危ない。抹を守らなくては!



「生ゴミとはひでェな。わりと上手く出来た方なんだァぜ?」



 そして、ンゴゴゴゴゴという効果音と共に遂にそいつは表れた。いやもう、それは生ゴミでも生易しい。



 緑と
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