それは、この国の行く末です!
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いるのは穂乃果とことりだ。普段から何かしらのトラブルを引き寄せる穂乃果はもちろんだが、ことりの方にも注意を払わねばならない。一見常識人に思える彼女だが、時折想定の斜め上を行く行動を見せる――鍋にチーズケーキをぶち込んだ前科もあるし。絵里も海未も暴走気味だっただけに、気を付けなければならないだろう。
頭の中であれこれシミュレーションをしながら平常心を整えていると、扉がノックされる音が聞こえてくる。
「はい、どうぞ」
真姫の声に促されて入ってきたのは、頭に思い描いていた残る相談者二人、穂乃果とことりだった――どうやら、二人一緒に相談を受けてもらうつもりらしい。
部室に入った二人は何故か椅子に座ろうとせず、真姫の向かい側に立つと、両手の拳を旨の前で握ってボクシングのファイティングポーズのように構える。
「えっと、穂乃果……?」
真姫が声を掛けるのとほぼ同時に、穂乃果が口を開く。
「悲しいときー!」
突然大声をあげた穂乃果に、真姫は言葉を失う――どういうわけか、隣にいることりも唖然としているが。
「ほら、ことりちゃんも。さっき打ち合わせしたでしょ?」
「ええ? 本当にやるの?」
「やるったらやるの。じゃあ、もう一回いくよ?」
ファイティングポーズをとったまま穂乃果とことりが小声でそうやり取りをした後、二人はもう一度拳を構え直す。
「悲しいときー!」
「か、悲しいときー!」
「廃校が決まったときー!」
「悲しいときー。廃校が決まったときー」
「悲しいときー!」
「か、悲しいときー!」
「曲とか衣装とか振り付けとか、何とか自分達で作り上げたμ'sの初めてのライブに全く人が来なかったときー!」
「ええっ!? な、長いよ、穂乃果ちゃん!」
「悲しいときー!」
「無視!? 無視なの!? じゃあ、もうことりいらないよね!」
「大雨の中走り込んだせいで、ライブ本番で倒れたときー!」
「まさかの自虐!? 実は、穂乃果ちゃんまだ気にしてる?」
「悲しいときー! 幼馴染が黙って留学に行こうとしたときー!」
「それ、もしかしなくてもことりのことだよね!? 何か物凄い悪者みたいになってるけど、言い出せなかったのは穂乃果ちゃんが倒れたせいだからね!」
「悲しいときー! 十一連で勧誘して全部Rだったときー!」
「もう本編関係なくなっちゃった! せめてSRが保証されてる時期にやろうよ!」
「悲しいときー! 会場が埼玉スーパーアリーナだから大丈夫だと高を括っていたら、チケットが全く取れなかったときー!」
「え、それ誰の話!? 少なくともことり達の話じゃないよね!?」
「悲しいときー! これだけメチャクチャやっておいてオチが全く決まってないときー!」
「考えようよ! 始まりと終わりくらいはちゃんと決めとこうよ!」
「悲しい
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