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アイドル研究部の一存
それは、この国の行く末です!
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「……どうしたの? ずっと立ったままで」
「いえ。こういう場では、相手に促されてから座るのがマナーだと聞きましたので」
「別にそこまで気を遣わなくてもいいわよ。面接でもあるまいし」
「そうですか。それでは、失礼致します」
 椅子に深く腰掛けて背筋をピンと伸ばす海未に少したじろぎながら、真姫は話を切り出した。
「それで、海未の悩み事って何?」
「はい。私の悩み……それは、この国の行く末です」
「く、国!?」
「バブルが崩壊して以後、景気は悪化の一途を辿っています。最近は少し落ち着いたようですが、今年から消費税が上がることもあって不安が途絶えません。更に、安全保障の観点から見ても、米軍の基地や集団的自衛権の問題が――」
「ストップストップ! 一体誰の悩みよ、それは!」
「……強いて言うなら、アベ首相の悩みでしょうか?」
「海未の悩みじゃないじゃない! そういうのは、『朝まで生テレビ』とかでやりなさいよ!もっと個人的な悩みはないの?」
「個人的な悩み、ですか……あ、ありました」
「なんだ、あるんじゃない。じゃあ、それを話してみなさいよ」
「STAP細胞の不正論文についてです!」
「よく分からないけど、それも絶対海未個人の悩みじゃないわよね」
「いいえ、個人的な悩みですよ。新たな万能細胞の発見が偽りのものだったとすれば、私と穂乃果(ほのか)の間に子をもうけるという壮大な計画が……」
「その不穏な計画は聞かなかったことにするから、もっと身近な悩みにしてくれないかしら?」
「穂乃果は身近な存在だと思うのですが……」
「同性の幼馴染みと子供をどうするとかいう発想が身近じゃないのよ!」
「そうですか……では、ベイスターズがどうすればAクラスに行けるかは……」
「投手の補強。以上よ」
「アンダーソンが抑えられません」
「ボールゾーンで勝負することね。四球はもうしょうがないわ」
「穂乃果のURがなかなか出ないんです……」
「二年生かプランタンの限定勧誘やり続ければ、その内出るわよ」
「大和レシピで資材を使い果たしてしまいました」
「そもそも十八歳未満の人間が『艦これ』をしないの」
「カードゲームをしましょう」
「デッキに入ってる『コーデリアのお花畑』を抜いたら、考えてあげるわ」
 最早悩み相談とすら言えないやり取りをしばらく続けた後、海未はふうと一つ大きく溜息をついた。
「色々話したら、何だかすっきりしました。では、私はこれにて失礼致します」
 ぺこりと綺麗なお辞儀を見せると、海未は入ってきた時と同じようにきびきびした動作で部室から出て行った。
「何なのよ、もう……」
 真姫はそう小さくぼやいて机に突っ伏した。
 しかし、相談者は真姫の感じている疲労など知る由もなく、部室の扉をノックする。
「……今度
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