それは、この国の行く末です!
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筋を正す。
何時もは所構わず大騒ぎして他のメンバーから大目玉を食らっている彼女であったが、必要以上に塩らしくされるのは真姫としてもやはり違和感を覚える。医者の娘だとか以前に、彼女の友人の一人としてその胸中に抱える不安を解消してやりたいと思ったのだ。
「今日の晩ご飯、塩ラーメンにするか醤油ラーメンにするか決まらないんだにゃあ!」
「……はい?」
凜の口から発せられた、およそ悩みごととは思えない悩みごとに、真姫は思わず素っ頓狂な声を上げて聞き返した。
「ママがね、『今日の晩ご飯は凜ちゃんの好きなもの作ってあげる』って言ったから、ラーメンがいいなって思ったんだけど、どのラーメンにするかが決まらないんだにゃあ!」
「別にどれだっていいじゃない。ラーメンであることに変わりはないでしょう?」
「どれでもよくなんかないにゃあ! 同じラーメンでも、塩と醤油じゃ味が全然違うにゃあ!」
「分かったわよ……っていうか、そんなに悩むくらいなら、間を取って味噌とかとんこつとか別の味にすれば?」
「う〜ん、それも魅力的だけど……今日は塩か醤油の気分なんだにゃあ!」
「意味分かんない……」
「というわけで、こうなったら真姫ちゃんにどっちがいいか決めてもらうにゃあ!」
「どういうわけよ……じゃあ、もういっそのこと、両方食べればいいじゃない」
「それはダメにゃあ! 一日に違う味のラーメンを食べることは、全国ラーメン協会規則第六十六条で禁止されてるにゃあ」
「何その胡散臭い協会! っていうか、規則多過ぎでしょ!」
「それに、ラーメンみたいなカロリーの高いものを食べ過ぎると、希ちゃんみたいにブクブク太っていっちゃうにゃあ」
凜がそう言った次の瞬間、部室の出入り口である扉が勢いよく開け放たれた。
「凜ちゃん? なんや今ウチの名前が聞こえた気がしたんやけど……」
扉の向こう側から現れたのは、数秒前に凜が名前を出した東條希だった。
希は何時もと同じように穏やかな笑顔を浮かべているが、そこからは確かな怒気が発せられているのを感じる――これが彼女の言うところの『スピリチュアルパワー』なのだろうか。
「の、希ちゃん!? い、言ってない! 凜は何も言ってないにゃあ! ラーメンを食べ過ぎると希ちゃんみたいに太る、だなんて誰も……」
「そっかあ。凜ちゃんは、ウチのことそんな風に思ってたんやなあ」
「ひいいいぃぃっ!」
希は墓穴を掘った凜の首根っこを掴み、そのまま彼女を部室の外まで引き摺っていく。
「ちょーっと外でウチとお話しよっか、凜ちゃん」
「ごめんなさい! もうあんなこと言わないから、許してにゃあ!」
「さあて、これから楽しいお仕置きターイムや」
「いやあああ
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