第五十八話「2度目のブラック・アロー作戦」
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メンバーのみで遂行することになった。
いいか? 精鋭部隊と言えども、所詮人間の集まりだ。油断することもあるし、不測の事態も起こりうる。
前回の作戦で感染者数は半分近くに減らすことができたが……それでも相当数残っている。
囲まれれば、我々でも生存確率は低くなる。それだけでなく、突然変異種も徘徊している。
…………だが、私は諸君の実力を信頼している。必ず生きて帰ると信じている。
クラウソラス、カラドボルグ、そして志願して自ら来た兵士諸君。…………………これは命令だ。
全員で必ず、生きて本部に帰還せよ!!」
「「了解!!」」
こうして、2度目のブラック・アロー作戦は開始された。
―――作戦開始
チーム編成は以下の通り。
クラウソラス メンバー合計32名
1チーム4人で、8つのチームを展開。
カラドボルグ メンバー合計15名
1チーム3人で、5つのチームを展開。
志願兵 合計24名
1チーム6人で、4つのチームを展開。
―――作戦開始から5分
ブランクとレックスは、周囲を警戒しつつレッドゾーンの中心部に近づいていった。
ふと、レックスはブランクの様子が気になった。
ブランクは周囲をキョロキョロと見回している。見ているのは地面ばかりだ。
「ブランク、何してんだ?」
「………………俺の、もう一つの義務を果たしたい」
「もう一つの義務?」
「………死んで置き去りにしてきた新兵達の遺品を、少しでも多く回収したいんだ」
その言葉を聞いた瞬間、レックスはブランクが何を考えているかを理解した。
「ずっと………悔やんでたんだな………新兵達の死を」
ブランクは否定しなかった。
「…………力を持った者は、他人を助けるためにその力を使え………司令の言葉だ。でも俺は……………
力を持っていながら、新兵達を助けてやれなかった。……それが悔しくて仕方がない」
「……………この作戦はお前の進退だけじゃない。新兵共の無念と屈辱も懸かってるんだ。………頼むぜ」
「あぁ………分かっている」
2度目のブラック・アロー作戦に参加した兵士達は、主に3つの思いを抱えてこの作戦に参加している。
ブランクの今後のため。
生きて本部に帰還するため。
新兵達の無念と屈辱を晴らすため。
全員が同じ思いを胸に、作戦の完遂を目指す。
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