第七十二話 三学期その五
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「男の人でも女の人でもね」
「性別関係なくですね」
「最低ですよ」
「最低も最低よ」
そのランクも、というのだ。
「下の下以下よ」
「ですよね、まさに」
「どうにもならない位ですよね」
「そうした人間こそ反面教師よ」
まさに、というのだ。
「だからあんた達もね」
「はい、そうした人にはなりません」
「絶対に」
「そう思います」
「ならないようにします」
「それが反面教師なのよ」
見てああはなるまい、と己に誓わせて精進させる。自分を貶めずに高めさせる存在にあたるというのである。
「そういう人もいるから」
「ですね、ああはなるまいですね」
「そう思わせる人も世の中いるんですね」
「人間正直上には上がいるけれど」
それと共に、というのだ。
「下には下がいるわ」
「最低な人もいますね」
「そういうことですね」
「そうした人にはならないことよ」
「自分自身は、ですね」
「絶対にですね」
「そうよ。それもまた人に大事だから」
反面教師の存在も、というのだ。
「覚えておいてくれたら嬉しいわ」
「わかりました、それじゃあ」
「今日もですね」
「ええ、部活楽しむわよ」
部長は五人に笑顔で言った。
「そろそろ皆来るわよ」
「ですね、じゃあ今日も」
「部活楽しみましょう」
五人も部長の言葉に応える、そうしてこの話が終わってすぐにだった。
他の部員達が部室にぞろぞろと入ってきてそれぞれ着替えて部活がはじまった。五人は部活のはじめも楽しくはじめられた。
暫くは何事もなく平穏な日々だった、だが。
三学期に入って数日経ったところでだ、部長は部員達にこう言ったのだった。丁度その日の部活が終わって全員部室にいるところで。
「面白いことが決まったわ」
「面白い?」
「面白いっていいますと」
「節分ライブよ」
これが決まったというのだ。
「節分の日にうちの学園内の神社の境内ですることになったわ」
「節分ライブって」
「それ何ですか?」
「だから。鬼は外福は内よ」
部長はいぶかしむ一年達にこう答えた。
「節分はそう言ってお豆撒くでしょ」
「はい、節分ですから」
「ですから」
「そう、そしてその日にね」
まさにだ、その節分の日にというのだ。
「ライブをするのよ」
「神社、ですか」
「うちの学園の中のあそこで」
「そう、ちょっと前から生徒会とお話してたのよ」
そのライブを開くことについて、というのである。
「それで神社の方ともお話してね」
「決まったんですか」
「そうだったんですか」
「そうなの、じゃあ二月三日いいわね」
その節分の日にというのだ。
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