第15話 閑話 亀仙人の、かめはめ波を撃つことを夢見て
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わしが彼を初めて見たのは、武泰斗様がピッコロ大魔王という悪人に倒された時だった。武泰斗様が誰かに負かされるという事実が信じられなくて、どうすることも出来なかった時に、彼は不思議な雲に乗って(後に?斗雲という名前だと知り、1つ譲り受ける事になる)空からやってきて、ピッコロ大魔王を圧倒したのだった。
狡猾にも、ピッコロ大魔王は弱っていた武泰斗様を狙い、彼を追い詰めてしまった。結局、武泰斗様の秘奥義により、ピッコロ大魔王は封印することが出来たのだが……。
わしは、彼のぎりぎりの局面での“かめはめ波”と叫び放たれた技に魅せられた。ピッコロ大魔王を倒しかけたその技に、一気に心臓をわしずかみにされたような感覚と、初めて武泰斗様に師事を仰いだ時の感覚を同時に感じた。
彼は、武泰斗様の遺体を俺と鶴の奴に任せると、直ぐに乗って来た不思議な雲で何処かへと行ってしまった。本当は、すぐにでも彼の後を追って、彼に頼み込んで、ピッコロ大魔王に放った技を教えてもらいたかったが、武泰斗様の遺体をほおって置くわけにはいかなかった。
それからの日々は、修行漬けの毎日だった。“かめはめ波”という技を会得するためにはどうしたら良いか、どうやったら“かめはめ波”を放つことができるようになるのか、そのことばかりを考えて修行を続けた。俺がああまで、修行を続けられたのは、もしかしたら、尊敬していた武泰斗様の死を忘れようと必至になっていたからなのかもしれない。
しかし、10年の月日を費やしても“かめはめ波”という技を身につけることが出来なかった。この頃は、気の使い方を知らなかったので、かめはめ波を放つことは無理だったのだろう。
それから更に月日が経った頃、わしはカリン塔という修行の地があることを聞いて、そこを目指して旅に出た。カリン塔の正確な位置が掴めずに、探し当てるまでに6ヶ月掛かった。しかし、それだけの苦労をした甲斐があった。
なんと、カリン塔には“かめはめ波”を放った彼が修行をしていたのだった。彼の名前はナシゴ様という事を初めてそこで知った。わしは早速ナシゴ様に頼み込んで“かめはめ波”という技を教えてもらえないか頼み込んだ。
最初、ナシゴ様は“かめはめ波”について教えることを渋った。「元々、君の技だったのに……」とか、「タイムパラドックスが……」とか、よく分からない事を言っていたが、多分、ナシゴ様は“かめはめ波”を考えつくまでには、かなりの時間を要したのだろう。それを安々と他人に教えるわけにはいかないのだろう。しかし、俺は更に彼に頼み込んだ。俺の必死の頼みにやっとの思いで、教えてもらえるようになった。
それから、わしはカリン塔でカリン様という素晴らしい武術の達人(達猫?)とナシゴ様と一緒に“かめはめ波”が撃てるようになるまで5年間
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