暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第45話 偽物ばっかり? 私悪くないヨ
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…そう、ありゃあ純粋な殺意だ。俺は恐ろしくて逃げ出したが、それは正解だったと断言するぜ。必死に逃げた俺の耳に届いたのは、部下の断末魔の叫びと「風の精霊だ!!」と言う叫びだけだった。

 あの時の恐怖を思い出し「二度と参加しねえぞ」と、決意を口にする。

 そして、出て行こうと扉に手をかけると……。

 ガシャ ガシャ

(ありゃ? 開かねえな。鍵はかけてねえはずだが。如何なってるんだ? ……ん?)

「風? こんな締め切った倉庫に?」

 てめえで言った“風”って言葉に、背筋が凍りついた。

(締め切られた倉庫でなんで風が?)

 見るな!! 見るな!! と心が悲鳴を上げるが、今更見ねえなんて無理だ。風上を見ると通風口から白い煙が出てきやがった。

「あ゛ぁ ーーーーあ ぁぁーーーー!!」

 てめえの口から出たとは信じならない悲鳴が上がる。必死に扉を開けようとするが、ガシャガシャと音を立てるだけで一向に開かねえ。

(なんで!! なんで開かねえんだよ!!)

「落ち着け。何をそんなに慌て……」

 俺を落ち着かせようとした奴の声は、最後まで言い切る事は無かった。今更倉庫内の異常に気付いったって遅せえ。

「何だあれ!!」

 倉庫内の風が強くなっていき、白い煙が形を変え体長2メイル位の人型になりやがった。まちがいねえ。風の精霊だ。

 ここに来てようやくメイジが応戦をおっぱじめ様としたが、その前に風の精霊に捕まり倒れちまった。弓は全然効いた様子はねえし、傭兵の1人が剣で精霊をぶった切るが、効かねえどころか切った奴が逆にぶっ倒れやがった。

 敵わねえと分かった奴らが出口に殺到するが、どの出口も開かねえ。

 風の精霊に1人……また1人と、動けなくされていく。やられた奴らはピクリともしねえ。そしてついに俺の番が……。

−−−− SIDE 山賊のリーダー END −−−−



 錬金溶接で固定した扉を元に戻し、動く人間が誰もいなくなった倉庫に入ります。

「主。やり過ぎではないのか?」

 さっきのトリックは、私の特大スリープ・クラウド《眠りの雲》を散らさずに、ティアの精霊魔法で人型に見せただけです。火の魔法を使われると、スリープ・クラウドが駄目になってしまうので、使われる前に速攻で潰させてもらいました。

「仕方が無いでしょう。これ位脅さなければ、また襲撃されてしまうのですから」

 そう言いながら、私はエア・カッターで山賊のリーダーとメイジの首を刎ねました。残りは風の精霊(偽)の事を広めてもらう為に生かしておきます。

「主。無益な殺生は……」

「無益ではありませんよ。私の領民に手を出した人間と、今回のハッタリに気付く可能性がある者は生かしてお
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