暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第45話 偽物ばっかり? 私悪くないヨ
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て来てください」

 私がまくしたてた後に言い切ると、ようやくクリフとドナは黙ってくれました。と言うか、この状況ではリーダーの後をつけて黒幕を叩こうとしているなんて言えませんね。それに「せめてどっちか連れてけ」と、言われなかったのも助かりました。



 山賊のリーダーを追い掛けて行くと、ラグドリアン湖か一望できる街の倉庫街に着きました。

(ティア。状況は如何なっていますか?)

(山賊はその倉庫の中じゃ。中には黒幕らしき商人とその護衛がおる。護衛の中にはメイジも数人おる様じゃ)

 さて、困りました。出来れば黒幕は生きたまま捕らえたいのですが、それだけ護衛が居るとなると手が出せません。しかしここで逃げ帰るのは、悔しいと言うか納得できません。家の領民に手を出しておいて、タダで済ませるわけにはいきません。捕縛が無理なら……。

(主。主。どす黒い物が。邪悪でどす黒い物が漏れておるぞ)

 何か殺意の波動(らしきもの)に目覚めそうになってしまいました。反省です。

 運良く倉庫の通風口から中の声が拾えるので、黒幕の正体を喋ってくれると助かります。……まあ、無理でしょうが。

 しかし今回の襲撃事件で、ドリュアス領に手を出せば精霊が干渉するかもしれないと言うメッキは剥がれてしまいました。山賊のリーダーが「風の精霊に襲われた!!」と必死に訴えていますが、周りの人間は懐疑的な声を上げるばかりです。実際に勘違いなので、それは仕方がありません。むしろ話題は、ドリュアス領の警備の厳重さに集中しています。どうやらメイジの1人が、使い魔を通して現場を見ていた様です。

 そして一番問題なのが、次の襲撃を計画している事です。当然、それを許す訳には行きません。

 何か良い案が無いか考えていると、まだ山賊のリーダーが「風の精霊が」と騒いでいます。中に居る奴らは鬱陶しく思っているでしょうが、私にはそれが天啓に聞こえました。すぐに倉庫の大きさを確認して、ティアに作戦の是非を問います。

 ティアが頷くと、私はつい口元を歪めてしまいました。……ティア。お願いだからひかないで。「邪悪じゃ」とか言わないで。



−−−− SIDE 山賊のリーダー −−−−

 何故誰も俺の言う事を聞いてくれねえんだ。

(あの恐ろしい透明な化け物が、風の精霊じゃなきゃなんだってんだ)

 他の奴らは次のドリュアス領襲撃計画に夢中だが、俺は冗談じゃねえ。

 俺たちゃあ安全圏に入ったと思って、メシの準備をしてを食おうとしてた。捕まえた村人の中に上玉が1人居たから、部下達と「摘み食いしようぜ」って笑ってた。だが次の瞬間、目の前で部下が風に切断され肉片に変わりやがった。そして、ついさっきまで何も居なかったはずの場所に、見えない何かが…
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