暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第45話 偽物ばっかり? 私悪くないヨ
[7/17]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
…目的は奴隷狩りか」

(ティア。今から山賊を追えますか?)

(可能じゃ。既に精霊達に頼んで逃走先は聞いたのじゃ。すぐに追うか?)

 ティアの言葉に私は一瞬だけ悩みました。このまま山賊達をつければ、今回の襲撃犯の黒幕にたどりつけるかもしれないからです。

 私はその考えを首を振って追い払います。

(追いましょう。攫われた村人の救出が最優先です)

 そうなると空から接近する風竜は目立ち過ぎます。気付かれて村人を人質にされると、こちらも動けなくなってしまいます。出来れば気付かれないように近づき、不意打ちで一気に仕留めたいですね。

(ティア。イルは?)

(もう来ておる。呼ぶか?)

(お願いします。ティアはそのまま山賊を追ってください。私もイルと合流後すぐに追います)

(分かった。それから、吾は目立たぬよう小鳥に化ける)

 私が頷くと、ティアは飛び去りました。

「ち ちょ ギルバート様。風竜が!!」

「直ぐに代わりが来ます」

 慌てるドナを黙らせて、暫く待つとオイルーンが来ました。

「イル。山賊達を追います。私だけでなくクリフとドナにも背を許してく……」

「グダグダ言わずに乗れ!!」

 怒られてしまいました。

 私達がイルに乗り込んでいる時に、ヒポグリフが一騎飛んできました。

「何があったんですか……って、この村の惨状を見れば一目瞭然ですね」

 ヒポグリフに騎乗した騎兵は、口調こそおどけていますが全身からは怒りがにじみ出ていました。必死に怒りを押し殺しているのでしょう。

「私達は山賊達の追撃に入ります。オラスに増援を依頼してください」

「了解しました」

 騎兵の返事を聞き届けると、オイルーンが勢い良く走りだしました。



 逃走中の山賊を捕捉(ほそく)したのは、ドリュアス領を出てからでした。ティアの精霊魔法が無ければ、補足は不可能だったでしょう。

「領内で捕捉出来なかったのは痛いですね」

「旧モンモランシ領ですね。今は貴族派の領主が治めています。面倒な事にならないか心配ですが、今は領民の安否が最優先です」

 クリフのぼやきに、私が返事をします。

(ティア。相手の不意を衝くのに良い場所はありませんか?)

(少し行った所に林がある様じゃ。そこなら不意を突くのに良かろう。じゃがその前に、昼食をとるやもしれぬな)

 ティアの言葉で、太陽が昇り切っている事に初めて気付きました。

(近くに水場はありますか?)

(林の手前に小川があるぞ)

 ……決まりですね。ドリュアス領も出ていますし、状況から考えて朝食もとっていないでしょう。そこで食事休憩を取るなら不意を衝けます。休憩しない場合で
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ