暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第45話 偽物ばっかり? 私悪くないヨ
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オが悔しそうに言いました。諜報部は始動してから間も無いので、軌道に乗るまではマギ商会の情報網の方が使えるのは仕方が無いと思います。
その注釈に目を通して行くと、ある事に気付きました。
「これが本当なら、クルデンホルフの関係者は無能ですか?」
私の呟きに、ファビオが苦笑で答えます。クルデンホルフ関係者の大半は、遠回しながらトリステインを“自分達の儲けを搾取する寄生虫”と陰で発言しているのです。トリステイン貴族から回収の見込みが無い借金を強要されているので、そう思いたくなる気持ちも良く分かります。しかし、トリステインの後ろ盾が無くなれば、クルデンホルフが戦場になると分からないのでしょうか?
まあそれは置いておくとして、この状況でクルデンホルフが反トリステインの声が高い事が良く分かりました。そんな所に、トリステインに恨みを持つロマリアンマフィアが出入りしていると思うと、頭が痛くなって来ます。しかし、如何言う手を打てば良い物か……。
「現状で打てる手は何ですか?」
分からないならスパッと聞くと言う事で、ファビオに意見をお求めました。
「ありません」
ファビオもスパッと返してくれました。って、ありませんって如何言う事ですか?
「既に諜報部から人を出して調査にあたらせています。マギ商会の方もアズロック様からの指令で既に動いています」
「それって、私が居る事に意味があるのですか?」
「アズロック様は“これを機に諜報関係を勉強しておけ”と、言っているのだと思います」
私はため息を吐くと「勉強させていただきます」と、ファビオに言っておきました。
……泣いても良いですか?
父上から指令を受けてから2週間が経ちました。
ファビオからの報告では、クルデンホルフにロマリアンマフィアの生き残りが出入りしているのは事実と判明しました。
時を同じくして、父上主導でマギ商会が本格的な調査に乗り出しました。私とファビオ(諜報部)は、完全に蚊帳の外です。
「ファビオ。悔しいですね」
「はい。悔しいです」
だからって、ファビオと愚痴の言い合いをしている暇はありません。せっかく朝一から話し合っているのですから、良い案を出して少しでも調査を……。
「坊ちゃん!! 大変です!!」
血相を変えて入って来たのはオーギュストです。普段の彼からは、考えられないほど慌てています。
「何事ですか!?」
「さ 山賊です。領の各地で、山賊の被害が出ています」
……なんですと?
「オーギュストさん。被害は……」
ファビオに問われて、オーギュストは首を横に振りました。
「詳細は分かりません。それに被害は今も増えています」
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