暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第45話 偽物ばっかり? 私悪くないヨ
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けませんから」

 私は死体となった山賊のリーダー見て、次にメイジ達の死体に視線を移して答えました。本来なら全員始末する所です。

「それにコイツですね」

 私はそう言いながら、今回の首謀者である商人の手足と口に《錬金》で作った枷をはめ麻袋に詰めました。

「良し。後は領に帰るだけです」

 私は、麻袋にレビテーション《浮遊》の魔法をかけると、その場から速やかに撤退しました。

 ドリュアス領に入る前に、クリフとドナに合流出来ました。黒幕らしき商人を捕まえた話をすると、物凄く怒られました。更に領に帰ったら、単独行動の件を皆に言いつけられ、家族全員からありがたいお説教を貰う羽目になりました。

 ……私は手柄を上げたはずですよね?



 父上と母上は今回の一件で、領内の処理に追われ身動きが取れなくなってしまいました。

 ……それも無理は無いでしょう。

 今回の山賊襲撃事件で出た被害は、領全体で死者391名に上りました。その内屯田兵の被害が213名で、残りの178名が領民です。幸いと言って良いか分かりませんが、防衛軍に死者はいません。その他にも、行方不明者が97名もいます。おそらくこの行方不明者は、奴隷として連れ去られてしまったのでしょう。重軽症者も合わせれば、被害者は1000人を軽く超えます。最近増えてきたとはいえ、人口が5万人に届かないドリュアス領では洒落にならない被害です。

 その所為で私にもいくつか仕事が回ってきました。そのうちの一つが私が保護した村人の対処です。

 私達が山賊から救出した村人は、帰還後にオラスに預けました。ですが、村の大人は山賊に全員殺されていて、女子供では村を維持して行く事は不可能とオラスに訴えられたのです。この訴えを受けた父上が、処理を私に丸投げしました。

 そこで私は村人達に会いに行き、直接コミュニケーションを取る事にしました。書類だけで片付けたくない私の我儘ですが、村人達が今後をどう考えているか知るためです。まあ、人心把握術の勉強と言う事で……。

 実際接触すると村人達の意見は、真っ二つに分かれていました。死んだ親の墓や家を守りたいと言う意見と、また襲撃があるかもしれないから、少しでも安全な所へ行きたいと言う意見です。その中には“親を殺された思い出がある場所には住みたくない”と言うニュアンスが多分に含まれていました。守備軍の努力を否定する意見ですが、子供達の心情や実際襲撃があった事を考えれば、ある程度は仕方が無いのでしょう。しかし、領主として村を捨てる選択は認められないので、後者の意見は当然却下せざるを得ないのです。

 そこで私は、経験豊富な教師に村長代理を兼ねてもらう事を思いつきました。その上で今までの倍の屯田兵を派遣します。村を守る人間を増やす
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