原作開始前
機体が変わるとか……
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お前は一体何を抱えている?」
スーッと頭の奥が冷えていく感じがした。正直そこは触れてほしくなかった。
「お前は剣道をやっているというよりも……」
「あなたには関係無いことですよ」
思わず冷たい言葉で突き放す。いや、これはある意味千冬さんにも関係はある。何故ならこの人たちを護るためにあれを思いだそうとしているのだから。
「なあ、私と一本試合をしないか?」
「試合? いいですよ」
後のブリュンヒルデがどれ程のものか知っておきたい。
「じゃあ、ついてきてくれ」
どこへ行くのかと思ったら、着いたのは篠ノ之道場だった。そして、やはり何故か束さんがいた。
「結局ここに来るのかよ。まあ、良いけど」
俺は着々と防具を着けていく千冬さんに声をかける。
「それで千冬さん、貴女が望むのは剣道の試合ですか? それとも、剣の死合ですか?」
割と本気の威圧感を込めながら訊く。本当に殺り合うわけではないがこれによって俺は戦い方が変わる。つまり、剣道で戦うのか、俺があの世界であの仲間たちと培った、剣術で戦うのか。
「勿論。剣だ。そうでなくては意味がない」
「良いんですね? 使うのは竹刀ではなく木刀にしましょう」
「分かった」
「……っと、そうだ一つ訊きたいんですが、貴女のその剣は何のためですか?」
気になったことをこの際だから訊いてみる。なんだか、前の俺と同じ感じがしたから。
「そんなもの、家族を護るために決まっている」
「それだけですか?」
「それ以外に理由はないだろう」
「……そうですか」
…………やはり。千冬さんはかつての俺と同じ理由で剣を握っている。かつて大事なものを失った俺と同じ理由で。
「彼方は防具を着けないのか?」
「必要ありませんよ。動きが鈍りますし」
「何を言ってるのかな? ちーちゃんはお前よりも歳も剣の腕も……」
「束さん、今はあなたが口を挟んで良いときじゃない。剣を握り、向かいあったならばそこはもう戦いの場だ。あなたにもそれくらい分かるだろう?」
「……分かったよ」
俺が防具を着けないことに対して口を挟もうとした束さんを黙らせる。思わず敬語が崩れてしまったが、気にされなかった。
「さて、存分に死合ましょうか……!」
「っ! ああ、そうだな(まったく、五歳児が出せる威圧感じゃないな……)」
俺は開始宣言をする。お互い動かない。そう思っていると、千冬さんの方から仕掛けてきた。
「ハァァア!」
面に向かってきた斬撃を撫でるようにして受け流し、逆袈裟に斬りかかる。それを千冬さんは飛び退いて避ける。へぇ、あれを避けるのか。ブリュンヒルデの名は伊達じゃないな。
「(あ、危
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