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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第353話】
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顔は……!?』

「……チッ」


 片手で破損したバイザーから見える顔を隠しつつ、閃光手榴弾が炸裂――その隙に脱出するべく来た通路を逆戻りし始めた。


「ッ! 逃がすかよ! ナタルは任せたぜ!!」

『……あぁ、イーリスのお嬢ちゃん。 追撃は任せたぞ』


 通路の先へと逃げたエムを追うように瞬時加速で通路を進んでいったイーリス。

 残されたのは破壊された通路の床と、そこに座り込むナターシャ、そして――有坂陽人の駈るPPS【黒夜叉】だけだった。


『ナターシャ、大丈夫か? 直ぐに見てやる』

「えぇ、お願いするわね? ――有坂さん……」


 機体が粒子化し、中から現れた有坂陽人が直ぐ様ナターシャの身体に痛まない様に触れるも、予想以上の身体ダメージが苦痛の表情を浮かべた。


「下手に動かさない方が良さそうだな。 だが、この怪我なら安静にしてれば直ぐに仕事に戻れるさ。 とりあえず衛生班が担架を持ってくるまで大人しくしてるんだぞ、ナターシャ?」


 ニッと白い歯を見せ、いつものように親指を立ててサムズアップする有坂陽人。

 そんな彼を見て僅かに微笑を溢しながらナターシャは――。


「……ふふっ、休む暇さえ無いのね、私には」


 目を細め、そう告げる。

 それに応える様に陽人の笑い声が通路に響き渡った。


「そりゃそうだ! ワハハハハッ! ……さて、一度ここを襲った以上、次に直ぐ襲撃するって事は無いだろう」

「そうね。 襲撃の事実は直ぐに米国本土全域に伝わるわけだから。 ……貴方は日本に帰るのかしら?」

「あぁ。 財団の意向で一月ここに居たが――中々悪くなかったぜ、お前やイーリス、基地指令の人や他の兵士含めてな。 ……死んだ戦友を思い出すぐらいにな」


 僅かに寂しげな表情を見せる陽人だが、それを隠すように苦笑いを浮かべて鼻の頭をかくと――。


「それにさ、向こうには家族が居るからな。 ――それよりも、あの襲撃したお嬢ちゃんの顔……」


 小さく呟く言葉に、ナターシャは首を傾げて見ていると――。


「……いや、よく見れば似てるだけだな。 ……何か秘密があるのかもしれねぇが……。 ともかく、日本に戻らないと。 もしかすると次の亡国機業の目標は織斑姉弟かもしれないからな」

「……話が良く見えないけど、そういう事なら早く戻った方が良いかもね? ……イーリも襲撃者を逃した様だし」


 持っていたチャネル通信機器からはイーリスの悔しそうな声が聴こえてきた。


「……まああのお嬢ちゃん、相当な腕の持ち主だからな! 気にする事はないさ、ワハハハハッ!」


 そんな高笑いがまたも通路に響き渡る中、ナターシ
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