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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第353話】
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ターポールもお前たちを直ぐに捕まえてるだろうしな。 ……じゃあお嬢ちゃんには痛い目にあってもらうとするか! イーリス! ナターシャを守ってくれよ!』

「仕方ねぇな、だが――アイツが逃げた場合は私が追撃するぜ? あんたじゃ、あの狭い通路は通れねえだろうしな」

『ワハハハハッ! でかいからな、こいつの成りはよ!!』


 二人で言葉のやり取りをしつつ、ナターシャを守るため防御体勢を取るイーリス――それを見て直ぐ様ツインアイが更に赤々と輝く。


「……チッ! 力で敵わないようならこれを避ける事は出来るか?」


 軽く舌打ちをし、ビットを展開しての一斉射撃――通路が青白く光る一瞬、狭い通路ではあり得ない速度で後退して距離を離し、射撃を回避すると開いたままのオープン・チャネルから声が届く。


『ワッハッハッ! お嬢ちゃん、そんな緩い攻撃じゃ俺を捉えられないぜ?』

「ならこれならどうだ」


 抑揚の無い声で呟き、右手に構えた長大なライフルとビットからの一斉射撃――それは真っ直ぐ突き進み、黒い機体へ迫る。


『おっと! そんな見え見えの攻撃――』


 右に避けた黒い機体――それを見て襲撃者の口元が邪悪に歪む。

 一斉に撃たれた粒子ビームが弧を描き、曲がると無防備な黒い機体の背面目掛けて直撃――そう思っていたエムだが、相手の方が一枚上手で、その攻々と左へのクイック・ブーストで避けきる。


「私のフレキシブルから逃れた!?」

『どうしたお嬢ちゃん? 今のがお嬢ちゃんの取って置きって奴だったのか?』

「チッ……」


 何度目かの舌打ち――実力が自分より上手だとわかっていても、心の何処かでそんな筈は無いと思う気持ちがエムから冷静な判断能力を奪いさっていた。


『お嬢ちゃんから来ないなら、俺から行くぜ? ――そらよッ!!』

「な――がはっ!?」


 一瞬だった――エムから距離が離れていた機体が、エムが認識した頃には眼前に迫っていて、強烈な加速力のついた体当たりで壁へと叩き付けられていた。



 だが苦しんでいる時間は無かった――叩き付けられてからの速攻で既に眼前に居た機体からの二本のナイフによる連撃。

 連撃の軌跡しか見えず、一撃一撃はナイフ故にダメージは軽いがそれを補う圧倒的手数――徐々に破壊されていく青い装甲、晒される生身の身体――放たれていたプレッシャーにエムは認めたくないが、心の中を恐怖が支配していく。


『エム! 退きなさい! 貴女もその機体も失う訳にはいかないわ!』


 繋がったままのプライベート・チャネルから通信が届き、目を見開くと同時にバイザーの一部が破壊された――。


『……!? お嬢ちゃん……その
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