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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【第353話】
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い死神――。


「腕が! 腕がぁッ!?」

「確りしろ! 衛生兵ーッ! 衛生――ギャアアッ!」

「くそっ! くそっ!! 本部! とっとと出ろよ! 至急増援――ガハッ!?」


 通信機器を持ったままISを纏った少女に吹き飛ばされる通信兵。

 意識を失うのを確認すると同時に空中へと浮かび上がり、曲がり角から現れた新たな増援を前面に展開したシールド・ビットで纏めて薙ぎ倒して強行突破していく。

 ハイパーセンサーに表示される基地内部のマップを基に通路を曲がり、下へと下っていき、奥へ奥へと進んでいく。


「……………」


 開けた通路に出ると、少女は天井を見上げる。

 凡そ五メートルはあるだろう……そう思い、視線を前方に移すとその進路上に浮かぶ赤いツインアイの煌々とした光――更にその隣に居る影――。

 影の正体は女と推測――だが、その隣に居るものの正体は掴めなかった。

 少女が得た前情報に載っていた資料には、ここに配備されているISはアメリカの第三世代型IS【ファング・クエイク】と第二世代型IS【ラファール・リヴァイヴ】数機と【アラクネ】数機――ファング・クエイクを除いた機体は全て格納庫事破壊した為、この場に他にISがあるとすればファング・クエイクのみ――だが、その機体ともシルエットが全く違っていた。

 凡そ通路の天井の半分――二メートル半はあろうその機体、明らかに通常のISより巨体なそれは何処か異質めいていた――刹那、隣の影のシルエットが何かを構える。

 そして、薄暗い通路に淡い青い光が集まり、構えた女の表情とその隣に居た巨体の姿が一瞬視界に移った次の瞬間、放たれた光は粒子の尾を引き、右肩の装甲に突き刺さった。


「な……に!?」


 思わず驚きの声をあげ、それを引き抜こうとした瞬間、光の矢は盛大に爆発し、包み込む。


「ちっ……!」


 爆発の衝撃で壁に叩きつけられる寸前、体を回転させ巧みにスラスターを調整しながら逆噴射――だが、相手はその隙を見逃さない。

 駆動音が鳴り響いた次の瞬間、女の隣に居た巨体の肩から放たれる粒子ビームの弾雨、その粒子圧縮率の比がIS基準の物とは明らかに異なっており、一発一発の粒子の弾丸がシールドバリアーを容易に貫通、装甲に当たると四散し、生身部分に当たると絶対防御を発動させた。

 このままでは不味いと思った少女は、その弾雨を直ぐ様抜け出し、左右上下に機体を動かして逃れようとするも、相手の狙いの正確さと面を制圧するかのような圧倒的弾雨、そして極めつけはその隣の女の攻撃も加わって徐々に徐々にと押され始めていた。


「お前たちは……」


 答えなど期待していなかった、思わず口に出た言葉だったが――。

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