暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第44話 モヤモヤは仕事にぶつけ……られない?
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ヌ様の後ろで必死に首を左右に振って居ました。この2人には心から同情します。

 ちなみに公爵は家族にほったらかしにされ、1人でいじけていました。私がカトレアの杖の事を相談しても、生返事しか返って来ないありさまです。仕方が無いので実物を見せると、正気に戻り製作者は誰なのか問い詰められました。内密にする約束で私が作ったと言うと、あきれられた上に“更に良い物を王家に献上すれば良い”と、投げやりに言われてしまいました。……この時、公爵に依頼されても絶対に何も作らないと決めました。





 カトレアに言われた事を検討した結果、マギ商会をガリアとアルビオンに進出させ情報を集める事にしました。

 表向きは商業路の開拓と規模拡大なので、それほど大きなリスクは背負わなくて済むでしょう。ここで集めた情報を元に、これから如何言った対応をするか決めて行こうと思います。

 私は今後の調整の為に、ファビオと頻繁に会談するようになりました。そんな時に、突然父上から呼び出されたのです。執務室に入ると、父上とカロンが話しが丁度終わる所でした。

「ギルバート。ファビオ。面倒な事になった」

 普段の父上の言い回しから想像すると、かなり不味い状況の様です。私とファビオは緊張して続きを待ち、父上も緊張した面持ちで続けます。

「クルデンホルフが、借金の返却を要請して来た。そして、借金を帳消しにする代わりにダイヤを奪われてしまった」

「なっ!!」

 現在クルデンホルフから借りている額は、60万エキューで去年分の利子を含めて63万エキューです。そこに、今年分の利子を含めると66万1500エキューになります。塩取引の利益が残っているとは言え、これほどの大金を即金で用意出来るはずがありません。それでも手形で急場をしのぎ、開発予算を見直して現金を用意する時間を作れるはずです。しかし、向こうの目的がダイヤを奪う事なら、即金で用意出来ない時点で抵抗は難しいです。

 それが分かっていても、私は驚きの声を上げてしまいました。何故なら……

「クルデンホルフ大公には、陛下から口利きをしてもらっているのではないのですか?」

「その通りなのだが、向こうは書状で一方的に借金の返済を求めて来た。そして返済不能と決めつけ、ダイヤモンドを徴収し借金を清算すると言って来たのだ。これは陛下に対する裏切りと言っても良いだろう」

「何故?」

 私が思わずそう聞き返すと、父上は首を横に振ったのです。

「原因は今のところ不明だ。……だが、ヒントが一つある。書状の送り主が大公ではなく、その弟のボップと言う男だった事だ」

 何ですかそれは? いや、お家騒動の可能性がありますね。

「そこで、クルデンホルフ大公家の現状を調査しようと思う。ギルバー
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