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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第44話 モヤモヤは仕事にぶつけ……られない?
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「父上。母上。お話があります」

 今の父上と母上は、ドリュアス家本邸西側の森を切り開き街を作る計画と、旧ドリュアス領から別荘まで伸びた街道をオースヘムまで伸ばす計画も同時に推し進めています。その為かなり多忙です。

 私個人の意見を言わせてもらえば、領内の経済活性化に努め大きな赤字が出ない様にする方が先と思うのですが……。

「それで、話とは何なのだ? ギルバート」

 父上に促されて、私は企画書と資料を父上に渡します。

「領内の経済活性化の為の企画書と資料です。許可いただければ、早急に取りかかろうと思います」

 父上は「ふむ」と言いながら、私の企画書と資料に目を走らせて行きます。母上も気になるのか、後ろから覗き込んでいました。

「農業や畜産関係に関しては問題無い。……別荘周辺の観光地化までは良いが、芸能娯楽関係をドリュアス家が主導するのは、独占と思われて良くないのではないか?」

「領主が観光地の芸能娯楽関係を独占する事により、他の商人が入り込むすきを極力潰すのが目的です。流入した商人の主導で歓楽街が出来ると儲け中心になり、モラルの低いハルケギニアでは治安悪化が懸念されるからです。と言っても、取り締まりは必要ですがガチガチにやる必要はりません。そう言った者達に、“自分達は領主に見逃してもらえる範囲でやっているんだ”と、認識させる事が出来れば良いのです」

 私は心の中で(最低限の見せしめは必要なんだろうな)と、嫌な考えをしながらも、予想済みの質問だったので即座に答えました。

「分かった。今回もギルバートが主導で行うのだろう? ならば、予算と人員を預けるので好きにやると良い。……期待して居るぞ」

「はい。ありがとうございます」

 もっと質問が飛んでくると思ったのですが、アッサリと許可がおりました。信頼されているからでしょうか? まさかとは思いますが、忙しさのあまり投げやりになっていませんか?

 ちょっと心配になりましたが、予算が降りたなら何とかなるでしょう。

「ギルバート」

 退出しようと思ったら、突然父上に呼び止められました。

「お前もドリュアス家を継ぐ身なのだ。そろそろ自分で作業せずに人を使う事を覚えろ」

 ……えーと。父上は何を言っているのでしょうか? って、聞き返すまでもありませんね。

「私が持っている知識は、ハルケギニアではある意味異端とも言えます。やれと言われて、はいそうですかと出来る(たぐい)の物ではありません」

 一応ここは反論しておきます。

「別にいきなり一から十まで全てやらせろと言う訳ではない。お前の知識や技術を人に教えて、その人に仕事を任せる事を覚えろと言っているのだ。でなければ、お前の負担ばかりが増えてしまうからな」
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