暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第43話 ハルケギニアよ!!私は帰って来た!!
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う事か。

(自分に責任追及が来る前に逃げたな。レンの問い掛けを無視していたから)

「(ほう。気付いたか。しかし見逃してやれ。我等の相手で疲弊していたからな)」

(……そうですね)

 私が木の精霊と話していると、ティアは「話せば長くなるのう」と言って、飲み物を用意し始めました。私はその隙に、魔法の道具袋から杖とディル=リフィーナ製の服(こちらの普段着が無かった)を取り出し、ダボダボになった服から着替えます。

(それより黒い鱗がレンに変わったと言いましたが、レン(分霊)の触媒にはティアの髪の毛を使ったはずですが……)

「(たまたま人間の髪に対応した竜の部位が、鱗だっただけだろう。そして、重なりし者が向こうへ飛ばされる際に巻き込まれ、触媒のみその場に置いてけぼりをくったのだろう)」

(行きは死者に囲まれ、帰りは置いてけぼりとはレンもついてませんね)

「(行きもか? まあ、別の世界を堪能出来たのだ。不運の見返りは十分にあったのだろう?)」

 私は苦笑いしながら曖昧に頷くと、そこで木の精霊との話を打ち切り、ティアの様子に目を向けます。ティアが用意している飲み物は水だったので、私は杖を抜き水差しとカップの中にアイス《氷》の魔法で氷を作り出します。|3(ティール)に入った所為か、今日は温かいので氷はあった方が良いでしょう。

「さすが主じゃな。ぬるい水を飲まなくて済むのは歓迎じゃ」

 ティアが嬉しそうに頷き、それぞれのカップと水差しをテーブルに置きます。

 私とティアがテーブルに着くと、ティアが口を開きました。



−−−− SIDE ティア −−−−

 水の精霊が腕?をふるうと、主がその場に力尽き倒れたのじゃ。その光景を見た時、吾はこれが仮初(かりそめ)であると同時に、近い将来に本当に起こりえる事態であると、この時に実感したのじゃ。

 実感と同時に湧き上がったのは、激しい怒りじゃった。

「上手く逝ったようだな」

 怒りの感情を持て余していた吾は、木の精霊の声に正気を取戻す。そうじゃ。警戒は忘れてはならぬが、まだ来ぬ未来を気にしていては疲れてしまう。そして、いざ事が起こった時に“疲れて動けませんでした”では、泣くに泣けぬのじゃ。そう自分に言い聞かせ、怒りに乱れた心を落ち着かせる。

「では、分霊を体に入れるぞ」

 そう言った木の精霊を皮切りに、精霊達が半サント位の結晶を作り出して主の口の中に放り込んで行った。その作業が終わると、精霊達は用は済んだとばかりに、顕現を解除し消えてしまった。そして気付くと、この場には吾と動かない主だけになってなっておった。

(オイルーンは離れた場所におるから良いとして、レンは何処へ行ったのじゃ?)

 レンを探して視線
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