第七話 三人目その十七
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「薊ちゃんも頭の回転はいいわ」
「そうかね」
「それでだけれど」
ここでだ、菖蒲は薊にさらに述べた。
「怪人のあの攻撃もね」
「凌げるか」
「全てがわかってのことだから」
怪人の心理、それを読んでいるというのだ。
「防げるわ」
「そうか、じゃあそれを見せてもらうか」
「そうしましょう」
二人で話してだ、そのうえでだった。
二人は菊の闘いを見た、見れば。
怪人はそのまま突きを繰り出しながら凄まじい速さで突き進んで来る、その怪人
に対して。
菊は屈んだ、そのうえで。
怪人の足を払った、右手の忍者刀最初から逆手に持っているそれを右から左に払った。それで足を切ってだった。
怪人のバランスを崩す、そのうえで。
瞬時に起き上がり空いている左手をアスファルトに叩きつけた、すると。
下から何かが沸き起こった、それは。
岩の柱だった、その柱がだった。
怪人を貫く、柱は怪人の背中から腹を貫いた。そこに。
また跳んだ菊は再び右足から踵落としを放った、それでだった。
怪人は完全に動きを止めた、それで言うのだった。
「まさか切り札は幾つもあったのか」
「切り札は一つだけという決まりはないでしょ」
菊は着地していた、両脚を右脚を前に出した状態で膝を屈めて着地してそのうえでの言葉だ。白い素足が見えている。
「そうでしょ」
「確かにな」
「そういうことよ」
立ち上がりつつだ、菊は会心の笑顔で言った。
「それも三段よ」
「足払い、力、そして蹴りか」
「蹴りはさっきも出したけれどね」
「今のは止めか」
「そうよ、効いたでしょ」
「効いたどころではない」
死を感じさせる声でだ、怪人は菊に答えた。
「貴様の勝ちだ」
「そういうことね」
「では消えよう」
敗北を認めた怪人は潔い声で述べた、そして。
灰になり姿を消した、菊はその灰の前で忍者刀を手にしたまま立っていた。
その彼女にだ、薊と菖蒲が言ってきた。
「見せてもらったよ、全部な」
「まずは勝ってよかったわね」
二人共神妙な顔で菊のところに来て話す。
「けれどな、あんたの力もな」
「それも見せてもらったわ」
「土か」
「それよね」
「ええ、私の力はね」
まさにそれだとだ、菊は二人に笑顔で答えた。
「土よ。元々忍術でも土遁の術が得意なのよ」
「成程な、合ってるんだな」
「貴女には土が」
「そうなのよ、それでだけれど」
今度は菊から二人に言ってきた。
「あんた達も力を持ってるのよね」
「ああ、さっき言った通りな」
「私達もそうよ」
「とりあえずそのことも聞きたいけれど」
こう二人に言うのだった。
「いいかしら」
「ああ、こっちもな」
「最初からそのつもりだったから」
二人
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