第七話 三人目その十五
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「うちの学園の生徒か」
「そうよ、部活は忍術部よ」
「というと忍者か」
「ええ、そうよ」
その通りだとだ、菊は微笑んで薊に答えた。
「ついでに言えば家の仕事は探偵よ」
「また面白い立場にいるな」
「そうでしょ、自分でもそう思っているわ」
「だよな、とにかくだよ」
「蜂の相手は任せて」
菊はあっさりと笑って薊に言った。
「こいつは私と闘いたいんだし」
「貴様は俺が倒す」
怪人も菊に顔を向けて言った。
「今からな」
「そうよね。じゃあはじめようかしら」
「手加減はしない」
「ああ、それ私もだから」
ここでだ、菊はというと。
右手から何かを出してきた、それは何かというと。
刀だった、しかし普通の刀ではない。
普通の日本刀ではなくやや短い、しかも曲がっておらず柄の部分は正方形だ。その刀は何かというと。
「忍者刀ね」
「ああ、あれがか」
「そうよ。あの刀がね」
菖蒲は菊が出したその刀を見て薊に話した。
「忍者刀よ」
「あたしこの目ではじめて見たよ」
「そうなのね」
「いや、忍者は好きだけれどな」
「その目で見ることは」
「はじめてだよ」
そうだというのだ。
「漫画とかでは見ていたよ」
「天枢さんは忍者漫画を好きそうだけれど」
「確かに好きだよ」
薊は自分の趣味についても答えた。
「そういう漫画は」
「そうよね」
「いや、けれど忍者刀をこの目でまじまじと見たのはな」
「はじめてなのね」
「そうだよ、面白い形だな」
「忍者の為の刀よ」
文字通りそうだというのだ。
「やはりあの人は忍者なのね」
「じゃあ忍者の闘いを今から見るんだな」
「見せるつもりはないけれど見せてあげるね」
菊は二人に明るく告げた。
「それじゃあね」
「ああ、じゃあな」
「お願いするわ」
二人も応える、そしてだった。
菊は怪人との闘いをはじめた、怪人の方からだった。
その手に出していたフェシングの剣を出してそれで菊を襲ってきた、菊はその剣の突きに対して何をしたかというと。
まずはだ、かわした。身体を左右に捻って。
素早い、そして今度はというと。
跳んだ、その跳躍はというと。
「おいおい、高いな」
「見事な跳躍ね」
二人は菊のその高く素早く跳んだ跳躍を見て言った。
「これは」
「だよな、高跳びみたいだよ」
「忍者の跳躍ね」
まさにそれだとだ、菖蒲は看破した。
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