第二幕その十二
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「出来るだけ安全な旅の道を選んでいるよ」
「だから煉瓦の道を進んでいるんですよね」
神宝がこのことを尋ねます。
「そうですよね」
「その通りだよ、煉瓦の道は安全だからね」
「安全第一ですね」
「危険な旅は楽しいかも知れないけれど」
それでもだというのです。
「自分達からするものじゃないよ」
「仕方なくそうなるものですね」
「危険には自分から近寄らない」
こうも言うモジャボロでした。
「それが大事なんだよ」
「ですね。じゃあスクードリーのところには寄らないで」
「狐の国と驢馬の国に行く時はね」
「安全な道を進んで、ですね」
「楽しい旅を歩いていこうね」
こうお話するモジャボロでした、そうして。
テーブル掛けをなおしてです、こう言うのでした。
「じゃあ寝ようね」
「はい、それじゃあ」
「今日は」
皆モジャボロの言葉に素直に応えてでした、そのうえでテントに入ります。恵梨香はナターシャ達と一緒にテントに入るとすぐにでした。
モジャボロから貰った寝袋を出してです、そうして。
その中に入ってからです、ドロシーに言いました。
「やっぱりこうして皆と一緒にいるっていいですよね」
「そうよね、旅の間もね」
「とても心強いです」
こう言うのでした。
「ドロシーさんがいてくれて」
「私何もしていないわよ」
ドロシーは笑って恵梨香に答えます。
「モジャボロが全部してくれてるじゃない」
「いえ、ドロシーさんが色々とオズの国のことを教えてくれて」
「チョッキンペットまでの道も教えてくれてるじゃないですか」
ナターシャも寝袋の中からドロシーに言います。
「ですから」
「私もなの」
「はい、心強いです」
「とても」
そうだというのです、二人は。
「ドロシーさん達がいてくれて」
「本当に有り難いです」
「そうなのね、私もね」
「ドロシーさんも?」
「といいますと」
「皆がいてくれて楽しいわ」
ドロシーはドロシーでこう二人に言います、勿論ドロシーも自分の寝袋の中にいて温かい格好で寝ています。
「ほら、旅は多い方が面白いからね」
「だからですか」
「私達が一緒で」
「そう、楽しいわよ」
とてもだというのです。
「本当にね」
「だといいですけれど」
「私達にしても」
「完全に一報が支えているってことはね」
ドロシーはこうしたことも言いました。
「ないのよ」
「人間にはですか」
「ないんですか」
「世の中にはね」
こうも言うドロシーでした。
「一人で立っている人はいないから」
「一人もですね」
「いないんですね」
「そう、そのことは覚えておいてね」
こうしたお話をしてからぐっすりと眠るのでした。皆のカドリングでの旅は和気藹々として進ん
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