第二幕その九
[1/2]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「ここでいいね、テントを置くのは」
「ここですか」
「もうここで置いてですね」
ジョージと神宝がモジャボロに応えます。
「それでテーブル掛けも出して」
「御飯も食べて」
「うん、やっぱり食べることだよ」
本当にです、まずはそれからでした。
「美味しいものを食べようね」
「テーブル掛けから何でも好きなお料理を出せるわよ」
ドロシーは五人にこのことをお話しました。
「このことはもう知ってるわよね」
「はい、前のマンチキンからエメラルドの都に行く時に」
「かかしさん達に教えてもらいました」
ジョージと神宝がドロシーに答えます。
「晩御飯は好きなものを食べていいんですね」
「テーブル掛けに頼んで」
「そうよ、さてこれから何を食べようかしら」
もううきうきとして言うドロシーでした、食べることが楽しみで仕方がないといった感じがもうはっきりと出ています。
「夜はね」
「ははは、まずはテントを置こう」
モジャボロはそのドロシーにお話します。
「拡げればすぐに置けるからね」
「それでよね」
「うん、だからね」
まずはテントを置こうというのです、草原の中に。
「まずは寝る場所を置こう」
「そうね、それじゃあね」
こうしてまずは草原の手頃と思われる場所に足を踏み入れてです、モジャボロは服のポケットから二枚の緑のハンカチを出しました、そして。
そのハンカチを拡げるとです、そのハンカチが。
忽ちのうちに四角すいの形のテントになりました、その大きさは何人も十分に入られるだけの大きさです。その緑のテントが赤い草原の中に二つ置かれたのです。
それを置いてからです、モジャボロは皆に言いました。
「それじゃあね」
「はい、次はですね」
「晩御飯ですね」
「少し早いけれどいいね」
まだ夜になっていません、夕陽は完全に落ちていますが。
「御飯にしよう」
「はい、わかりました」
「それじゃあ」
皆もモジャボロに笑顔で応えます、そうして皆で草原の中に車座になって座り皆が囲んでいる中にテーブル掛けを敷きます、そこでなのでした。
ナターシャがです、こう言いました。
「最近皆ね」
「皆?」
「皆っていうと?」
「それぞれの国のお料理ばかり食べてるわよね」
こう言うのでした。
「だから今は変わったものを食べない?」
「変わったものって?」
ジョージがそのナターシャに問い返します。
「それどういうことかな」
「だから、和食や中華やハンバーガーとかだけじゃなくて」
「ああ、他の国のお料理を食べようっていうんだね」
「そう、シャラスコやボルシチも今は置いておいてね」
そのうえでだというのです。
「他の何かを食べましょう」
「そう言われてもね」
神宝はナターシャの提
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ