第二幕その八
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「この旅を続けましょう」
「はい、わかりました」
「それじゃあ皆で」
「楽しくですね」
「この旅を一緒に行きましょう」
「皆で」
「ええ、そうしましょう」
ドロシーは五人ににこりと笑って言いました。
「さあ、ミス=チョッキンペットは元気かしら」
「今も紙の国民と一緒にいるよ」
モジャボロがドロシーにチョッキンペットのことをお話します、その彼女のことを。
「そして楽しくね」
「紙の人達を作っているのね」
「そうしているんだ」
「そうなのね。それじゃあね」
「それならだね」
「ええ、いいわ」
チョッキンペットも幸せならというのです。
「それならね」
「そうだね、ではね」
「一緒に行こうね」
「チョッキンペットの村までね」
こうお話しながらお弁当を食べてでした、そのうえで。
一行はお弁当を食べ終えました、そうしてまた黄色い煉瓦の道を歩いていくのでした。煉瓦の左右には赤い世界が広がっています。
その赤い世界が次第に夕暮れに包まれていくとです、モジャボロはドロシーとトト、五人に対して言うのでした。
「それじゃあ今日はね」
「休憩ですね」
「寝るんですね」
「うん、夜の旅は危ないし冷えるからね」
だからだというのです。
「もう休もう。晩御飯も食べてね」
「あの、それはいいんですけれど」
恵梨香が提案するモジャボロに尋ねました。
「どうして休むんですか?」
「あの、テントでも持っているんですか?」
カルロスも首を傾げさせつつモジャボロに尋ねます。
「ひょっとして」
「折り畳み式で拡げると大きくなるテントだね」
「はい、それと食べものが出るテーブル掛けですね」
「うん、その二つは持って来ているよ」
「じゃあそれを出すんですか」
「そのつもりだよ。ただね」
ここでカルロス達にこうお話したモジャボロでした。
「女の子が三人いるね」
「はい、恵梨香とナターシャとドロシーさんです」
カルロスはモジャボロの言葉に答えました。
「確かに三人ですね」
「それで男は僕達四人」
モジャボロとカルロス、それにジョージと神宝です。
「テントは二つ必要だね」
「男の子と女の子ですね」
「そう、だから二つ用意持って来たよ」
「そうだったんですか」
「うん、テントとテーブル掛けの他には」
その他に持って来たものはといいますと。
「寝袋も持って来たから」
「それも折り畳みのですね」
「そう、持って来たからね」
だからだというのです。
「夜はゆっくりと寝ようね」
「はい、わかりました」
「それなら」
「そうしよう。それじゃあね」
カルロスとのお話を終えてからです、モジャボロは夕暮れの赤い色を深くさせていくカドリングの草原を見回して言いました。
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