第二幕その七
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「そのマボロシ族達と一緒にね」
「ああ、あの時ですね」
「ヘンリー叔父さん達がオズの国に入られた時に」
「あの時ずっとヘンリー叔父さん達のことばかり考えていたわ」
それでその中ではじめてチョッキンペットの村や兎の国に行ったのです。他にもカドリングの色々な場所に行きました。
「それで急にだったのよ」
「ノーム王が攻めて来るってですね」
「お話が来たんですね」
「あの時はどうなるかって思ったわ」
「オズの国が滅亡の瀬戸際に陥って」
「それで、ですね」
「そうよ、大変なことになっていたからね」
だからでした。
「どうなるかって思ったわ」
「ううん、ノーム王って本当に酷いですね」
「とんでもない人ですよね」
「今どうしているかしら」
ノーム王のことを思って言うドロシーでした。
「あの人は」
「そうですね、また悪い心になってないといいですけれど」
「今回ばかりは」
「まともになっていて欲しいですよね」
「悪いことばかり考える人になっていなくて」
「せめて普通の人に」
「ええ、本当にそう思うわ」
五人にしみじみとして言うドロシーでした。
「今度こそね」
「ですよね、誰も幸せにならないですから」
「悪いことをしても」
「悪いことを考える人はそれだけで不幸なんだよ」
モジャボロはこうも言うのでした。
「それだけ心が悪くなっていくからね」
「ですよね、じゃあ私達も」
「出来るだけいいことを考えるべきですね」
「それが幸せになる第一歩だよ」
そこからだというのです。
「例えば美味しいものを食べて楽しいとかね」
「今みたいですね」
「こうしてお弁当を食べて楽しいと思うこともですね」
「幸せですね」
「それになりますね」
「そうだよ、幸せとはね」
それはです、何かといいますと。
「心の持ち様でかなり変わるんだよ」
「僕は何時でも幸せだよ」
トトもトトのお弁当を食べています、とても美味しい鶏肉を焼いたものを食べながら尻尾をぱたぱたと横に振りつつ言うのでした。
「だっていつもドロシーと一緒で他の皆もいてくれるからね」
「だからトトも幸せなのね」
「そのことを楽しいって思えるから」
「うん、そうだよ」
まさにその通りだとです、やっぱり尻尾を振って答えるトトでした。
「そう思えるからね」
「私もいつも幸せよ」
ドロシーもなのでした、このことは。
「いつも楽しいって思えているからね」
「そうですか、じゃあ私達も」
「楽しいって思うことですね」
「出来るだけいつも」
「そう思うことですね」
「それが大事ですね」
「そうよ。じゃあ楽しくね」
そう思ってだというのです。
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