暁 〜小説投稿サイト〜
ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第42話 塩爆弾爆発!!でも私は不在です
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 吾が答えを言うと、カトレアは深く頷いた。

「ギルは異界(ハルケギニア)で独りになる事を恐れている。だから家族や親しい人を凄く大切にする。その上自分が関わる事で、原作より不幸な人間が出てくる事を恐れている。ギルはいつもその不安と闘っている」

 吾はカトレアの言に頷く。

「ここまでならまだ問題無いわ。問題はディル=リフィーナの冥き途よ。ギルは死んでも、そこへ行くだけと言う認識があるわ」

「常人より生への執着心が薄いと言う事か?」

 しかし吾の質問に、カトレアは首を横に振って答えた。

「薄いなんてモノじゃないわ。異常よ。自分が死ねば悲しむ人間がいるのは分かっているのよ。それでも、自分か他の誰かの二択になった時、ギルは迷うことなく自分の命を切り捨てるわ」

 吾の背筋に冷たい物が走った。主に置いて逝かれる自身の姿が、やけにリアルに浮かんだのじゃ。

「今までは、1人で成し遂げる心算で躍起になっていたけれど、これからはティアにも協力してもらうわ」

「分かった。吾も全力で協力しよう」

 この時を持って、吾はカトレアと同盟を組むことになったのじゃ。竜たる吾は主が先に逝く事は知っておる。じゃが、下らない終わり方だけは認めぬ。

 ……そう。認めぬのじゃ。

−−−− SIDE ティア END −−−−



 新ドリュアス家本邸が、ほぼ完成しました。後は内装関連なので、家具職人達に丸投げしても大丈夫な状態です。別荘の方も劇場やスパ等、主要な施設はすべて完成しました。後は人員を確保して、運営するだけです。と言っても、劇場はその人員(優秀な俳優)を確保するのが難しいのですが。

 まあ、本邸の事が片付いてかなり余裕が出来て来たので、ゆっくりとやっていく事にしましょう。それよりもやっておきたいのが、ディル=リフィーナに渡って色々と仕入をしたいのです。魔法の道具袋も母上から返還してもらいましたし、向こうで換金する為の貴金属や宝石も用意しました。空になった体の管理も、木の精霊が協力を約束してくれました。おかげで私が寝たきりなると言う騒ぎが避けられます。後はタイミングを見て、ディル=リフィーナに渡るだけです。

 竹やスパイス・フルーツ系は、是非仕入たいです。カトレアの治療の為に、性魔術も覚えてこなければなりませんし……。

 オイルーンに乗って仕事場(本邸)から別荘へ帰宅中に、そんな事を考えていたら異変を感じました。私があわてて森に隠れると、頭上を大きな船が通りすぎたのです。百合をかたどったトリステイン王家の紋章が見えたので、恐らく王族が乗っている船でしょう。船の進路から考えると、どう考えても目的地はドリュアス家の別荘です。

 嫌な予感がした私は、ウエストポーチからティアを引っ張り出すと
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