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ちょっと違うZEROの使い魔の世界で貴族?生活します
本編
第42話 塩爆弾爆発!!でも私は不在です
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、吾は頷いた。そして頷いてから気付いた。(これで吾もエロピンクの仲間入りか?)

「どの道私達の関係は、もう死以外で分かたれる事はないわ。なら、受け入れてしまった方が良いわ」

 微笑みながら言ってくるカトレアに、吾はため息を吐きながらも頷くしかなかった。そして再びカトレアの顔を見た時、吾は緊張した。先ほどと同じくらい真剣な表情で、吾の顔を見ていたのだ。そしてカトレアの口から紡がれたのは、詩だった。

虚毒(こどく)……それは、永劫の虚毒。家族の温もりは無く、弱き者には恐れられ、強き者は敵となる。心を通わせる者は無く、永い永い時を独り……故に(なんじ)が背負いし虚毒は、永劫の虚毒と言う。我は誓う。たとえ一時でも、汝の虚毒を癒さん事を」

 その詩は誓約じゃった。そして同時に心に来る物があった。やはりこの女は、吾の主に相応しかった。この詩に、吾も相応しい詩で返答せねばな……。

「虚毒……それは、死出の虚毒。静かに迫り来る死は、その者の心を歪め変容させる。心が違い過ぎる者は、温もりを感じあえる距離に居ても、心を通わせる事はかなわず……故に(なれ)が背負いし虚毒は、死出の虚毒と言う。吾は誓う。汝を理解し、その虚毒を払わん事を」

 所詮即興じゃからな、良い詩にはならんかったか。

「……うん。ありがとう」

 カトレアは吾の誓約の詩に微笑んでくれた。

「汝の人を見る力は、『理解したい』『理解されたい』という思いの産物であろう」

 突然の吾の言葉に、カトレアは理解が追いついていないようじゃ。いや、理解しておるのじゃろうが、呑みこめていないと言ったところか。

「じゃから、最も『理解したい』『理解されたい』と思う者に、その力は強く働くのじゃろう」

「!! ……そう そうね。その通りだと思う」

 カトレアは吾の言葉を呑みこめたのか、ゆっくりと大きく頷いたのじゃ。その顔は実に晴れ晴れとしておった。



「次にギルの事だけど……」

「主の事?」

 カトレアは一度頷き、話し始めた。

「ギルの虚毒は……」

「「異界の虚毒」」

 カトレアが言わんとしていたことが分かったので、つい合わせてしまった。話の腰を折ったにもかかわらず、カトレアは怒る事も無く頷いていた。

「そう。ギルは元はと言えば、マギの世界の人よ。そして、ディル=リフィーナで生まれ直してハルケギニアに移された。だからギルにとって、ハルケギニアは異界なの。ハルケギニアで家族や友人が出来ても、心の奥にこびりついた『ここは異界だ』と言う思いは、完全に無くなる事は無いと思う。それに拍車をかけて居るのは……」

 カトレアが言葉を切ったので、吾はその続きを口にした。

「ゼロの使い魔の原作知識……か」

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