第七十一話 おとそその九
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「四時半起きが普通だからね」
「宗教家って本当に朝早いんだな」
「新聞配達の人の次に早いかもね」
この人達はまた特別である。
「あの人達は真夜中に一日がはじまるから」
「早寝早起きでだよな」
「そう、まあとにかくね」
「ああ。朝起きたし」
「だからね」
それでだというのだ。
「これは普通よ」
「五時半でもか」
「けれど。起きたから」
それならと言う景子だった、あらためて。
「お風呂入りましょう」
「完全復活しないとね」
琴乃も死にそうな顔だ、その顔での言葉だ。
「朝になったから」
「そう、それじゃあね」
こう話してだった、そのうえで。
五人は鉛の様に重くなっているそれぞれの身体を引きずって景子の家の風呂場に入った、そうしてまずは身体を洗ってだった。
湯船に入る、五人一緒に。景子の家の風呂は広く檜の浴槽もそれなりの大きさだが五人一緒に入ると。
あまり広くない、もっと言えば狭い。それで彩夏は苦笑いをして言った。
「ううん、狭いわね」
「そうよね」
「ちょっとね」
四人も苦笑いで彩夏の言葉に応える。
それでだ、四人は彩夏の胸を見て言ったのだった。
「彩夏ちゃん胸大きいから」
「その分もあるから」
「いや、胸は関係ないでしょ」
彩夏は苦笑いのまま四人に返した。
「それに私の胸ってね」
「大きくないっていうの?」
「ひょっとして」
「普通だと思うけれど」
「いや、それはないからな」
美優は笑って彩夏の今の言葉は否定した。
「絶対にな」
「ないの?」
「彩夏ちゃん背一六〇だよな」
「ええ、入学の時から変わってないわ」
「それで胸は八十八だよな」
「そうだけれど」
「その背でその大きさだと大きいからな」
そうだというのだ。
「誰がどう見てもな」
「普通じゃないっていうのね」
「グラドル並だよ」
そこまでの大きさだというのだ。
「全然大きいよ」
「ううん、そうかしら」
「というか形もいいからな」
言いながらだ、美優はというと。
その右手を彩夏の胸、浴槽の中のそれに持って行ってだ、そして掴んでみてその感触を楽しみながらこう言うのだった。
「いいよな、柔かいし」
「ちょっと、触ったら」
「駄目か」
「あまりね」
どうかと言うのだった。
「ちょっと止めてくれない?」
「ううん、そうか」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
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