暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはANSUR〜CrossfirE〜
ここは海鳴、始まりの街 〜追憶の旅路そのさん♪〜
[1/13]
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
†††Sideフェイト†††
冬休みが明けて、小学3年最後の学期が始まった。騒がしかった旅行を終えてすぐに子供のルシルは管理局へ正式に入局を果たした。
ルシルと過ごす時間が一気に減ったことに落ち込んでいる過去の自分を見て、少しは隠せないのかなぁ、と思う。そして1月は足早に過ぎて行って、二月となった。そう、2月3日。地球の日本だけにある行事、豆撒きの日に。
「
地球
(
こっち
)
には変わった行事があるのね〜」
「リンディさんはいくつ食べるんですか?」
母
(
リンディ
)
さんが、炒った豆の枡を手になのは達の説明に驚いていた。当時はまだ家族じゃなかったから私は、母さん、じゃなく、リンディさん、と呼んでいた。私のふと口にした質問に、リンディさんがニコッとして「20粒♪」と答えたから、子供の私たちは子供心ながら察して適当に流した。
放課後、ハラオウン家に集まったなのは、シャル、アリサ、すずか、そして私の5人は豆撒きのスタンバイに入っている。
「いい? そろそろ帰ってくる鬼二匹。かなりの強敵だから油断しないように」
「本当に良いのかなぁこんなことして・・・?」
ニヒヒと口の端を吊り上げるシャルに、子供のすずかが困惑しながらそう呟いた。子供のなのはも「ちょっと気が引けるなぁ」って苦笑そんな私も今回の行事は良いとしても、ぶつける相手にちょっと気が引けていた。でも子供のアリサは、
「日本の伝統行事をその身に受けて学べるんだから良い事なんじゃない?」
もっともらしい事を言った。でも顔は悪戯っ子のような笑み。単純に鬼、その内の一人に対して豆をぶつけたい衝動からそんな事を言ったんだって今なら判る。
玄関前で私たちはただひたすら待つ。スタンバッてから10分くらい。通路から話声が聞こえてきた。シャルが勝手に鬼判定とした、二人の声が。聴き耳を立てて、扉越しから聞こえてくる声と足音に集中する。
「はぁ。やはり髪を切った方がいいのか・・・?」
「中性的な顔立ちにその長い髪だからな。しかしそのおかげでツカミは良かったじゃないか」
「何が良いものか。挨拶したら、可愛い、と女性局員に頭を撫でられたり抱きつかれたりして。男性局員からは妙に優しくされるし・・・。将来、同性に付き纏われたらどうしよう、いや本当に」
「その時は温かく見守ってやるから安心してくれ」
「薄情者、助けろ」
あれれ? さっきまでの気後れが嘘みたいに無くなっていく。女の人に撫でられた? 抱きつかれた? 当時と全く同じ思いになる。枡に入った豆をわしっと掴み取る子供の私。シャルが小声で「各員、射撃用意♪」と炒り豆を掴み取って振り上げ、いつでも投げられるような体勢になった。
子供なのは達も渋々掴み取って投げる体勢になった。玄関のドアノブがガチャリと
[8]
前話
[1]
次
最後
[2]
次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]
違反報告を行う
[6]
しおりを挿む
しおりを解除
[7]
小説案内ページ
[0]
目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約
/
プライバシーポリシー
利用マニュアル
/
ヘルプ
/
ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ