暁 〜小説投稿サイト〜
とある物語の傍観者だった者
20話:C級映画
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妹で満ち溢れている】です」

「あ、あっそう……」

 なんか、ラノベのタイトルみたいだ。さらに謎の義妹推しだ。

 もういいんだよ、義妹推しは。

 何なの、超絹旗もオレの義妹になりたいっていう一種のアプローチなの? いや、いやちょっと自意識過剰なだけかもしれないが。

 何なの、神様はオレに何を試そうとしているのだ……いや、自惚れるのはやめよう。

 もう何も言うまい。

 人もまばらだから、好きな席に移動する。

 真ん中より少し上の席。オレと超絹旗は席を一つ空けて座る。真ん中に特大ポップコーンを置くために。

 なんか、ポップコーンはもう3分の1は減っていた。いつの間に……

「あん、だめよ、こんなところで」

「ふひひ、ちょっとぐらいいいじゃないか」

 なんか、いちゃつくカップルがいるな。

「ちょ、ちょっとっっ。他のお客さんもいるし子供もいるんだし恥ずかしいからやめてよ」

「ふひひ、だったら聞かせてやりゃいいじゃないか。君が奏でる卑猥なワルツを」

「うひっ、うほっ、おほっ、あひっ、あひーっ、あひょひょひょーーー……っ!!?」

「「………」」

 最悪のワルツだ。オレと超絹旗は耳を塞いだ。

 そして、なんやかんやと上映時間になり、オレは彼女に「寝たら超叩き起こしますからね」と上映前に警告され必死に映画観るのであった。

 内容は、次から次へと自称・義妹と名乗る少女達がお兄ちゃんの前に現れ、次から次へと求愛してくるがお兄ちゃんはこれから魔王討伐で旅に出かけなければならないから、義妹たちはお兄ちゃんの帰りを待つ間に誰が真の義妹なのか決闘を始める一種のバトルロワイヤルだった。
 まぁ、そんな自称・義妹な彼女等の心境とは裏腹に主人公なお兄ちゃんは旅でさらに義妹を増やし、バトルロワイヤルをしている所に送りこむという鬼畜さを見せレベルを着々と上げていく。
 魔王城に辿り着いたお兄ちゃんは魔王と対峙し、見事魔王を打ち負かした。これでお兄ちゃんが最強。この世界はお兄ちゃんの支配下におかれた。この世界の女たちはお兄ちゃんのもの。
 お兄ちゃんの恐怖政治によりお兄ちゃんより年下の少女たちはお兄ちゃんの義妹になるようにと命令され、未だ決着の着かないバトルロワイヤルへ義妹たちを送りこみ勝負のつかないくだらない勝負を繰り広げてさらにカオスになった。
 めでたしめでたし……という内容。

 さすがはC級映画だ、誰がこんな糞みたいな内容を考えたんだ、ちょっと監督出てこいよと文句を訴えれるレベルだった。

「兄貴ー、私この映画感動したぞー」

「にゃー、皆健気で良い子ばかりだったにゃー」

 とか聞こえたけど無視しよう。

 土御門兄妹、来ていたか……アレで感動すると
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