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覇王と修羅王
合宿編
十六話
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アインハルトの腕に絡みつく。
 なのははその隙に後ろへ跳び、レイジングハートの切っ先を向け、再び砲撃体勢に入る。接近封じをした上の必勝パターンである。
 アインハルトはそうはさせまいと腕に力を込めるが、ビクともしない。これでは避ける事は愚か、防御も儘ならない。

『そうじゃねぇ、昨日覚えた事を思い出せ』

 ――――昨日覚えた事、それは水切り。
 脱力静止した状態から身体を回転させ、拳を押しだす動作。踏み込みが出来ぬ分確りと足を着き、その力を足先から下半身へ、下半身から上半身へ流す様に伝え、最後のインパクトの瞬間だけ撃ち抜く!

 エクセリオン――――ッ!?

 バインドを砕き、突き出した拳が生んだ衝撃が砲撃を裂き、なのはのLIFEを2500から2000まで削った。

(今の……)

 足先から拳に力がスムーズに流れていったような、それでいて何もかも砕けそうな感覚。
 繰り出した一撃の余韻がアインハルトに走る……が、致命的な隙と成った。まだなのはは健在なのだ。
 再び迫る砲撃を辛うじて躱すが、それを見越した様になのはが背に現れた。

 ストライク・スターズ!
 旋――――

 周囲に展開したスフィアからの射撃と砲撃の合わせ技。
 アインハルトは旋衝破で受け流そうとするが体勢を整える事も叶わず、砲撃に呑まれウイングロードも裂き地に沈んだ。

(凄い子だな……)

 そうなのはは倒れるアインハルトを見て思う。
 バインディングシールドを砕いた上に砲撃を突き裂いた。其れが出来たのは膨大なトレーニングで築かれた土台が在ってこそ。
 ヴィヴィオが賛美する訳だ、となのはは多少親バカな事を思いながらレイジングハートを振り上げる。
 現在アインハルトのLIFEは15、辛うじてであるが生き延びている。LIFEが100未満なので行動不可だが、放っておくと転送され回復されるだろう。
 これでトドメ――――という所で徹甲狙撃弾が飛来し、LIFEが2000から1100に減らされた。

「いっったぁ〜! この弾丸……ティアナ?」

 後頭部を擦りティアナの方を見ると、幾つものスフィアを展開し、既に発射体勢に入っていた。

 クロスファイア・フルバースト!

 辺り一帯の面攻撃。
 青組前線メンバーがLIFEを200から300程削られる中、なのははシールドで防いだがその隙を突いたキャロにアインハルトが召喚された。


◆ ◇ ◆


「……ありゃ? ノーヴェが突っ込んでくる」

 クロスファイアから避けるスバルを放り、そのまま全速力で向かってくるノーヴェの姿がモニターに映る。その速度は追い駆け始めたスバルより上で、少しずつ離されつつある。
 コロナの後ろからアレクにちょっかいを出すリオに今か
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